KUMIKO HAYASHI OFFICIAL

第180回通常国会 社会保障特別委員会 2012年7月20日

第180回通常国会 社会保障特別委員会 2012年7月20日

○林久美子君 おはようございます。民主党の林久美子でございます。本日は、子ども・子育て支援の新しい制度についてお伺いをしてまいりたいと思います。
その質問に先立ちまして、まず、大津で発生をしたいじめ自殺事件についてお伺いをしたいと思います。
私にも小学校四年生の息子がおりますけれども、これは政治家としてのみならず、一人の親として、本当にこういうことがもう二度と起きたらいけないんだと、こういう事件が起きるたびに私たちはいつもそのように思い、誓うわけですけれども、残念ながらこうしたことがまた起きてしまいました。少子化が言われている昨今にあって、せっかく生まれてきてくれた命で、大きな未来を持っている命がこんなふうに絶たれてしまうというのは本当につらくて、本当に胸が締め付けられる思いは多分皆さんお持ちだと思います。
今回は、市長と市教委あるいは学校、県教委などの連携等々、やっぱりいろいろな課題もあったような気がするわけですけれども、こうした中で、文科省も今回職員を現地に常駐をさせていただくような取組もいただいておりますが、改めて、教育行政をつかさどる文科省に、こうしたことがもう二度と起こらないようにという御決意を高井副大臣に伺いたいと思います。
○副大臣(高井美穂君) 林委員には、地元でもあられますし、いろいろと御心配の向き、本当に心中お察し申し上げます。そして、まず今回亡くなられた男子生徒さんの御冥福を心よりお祈りをしたいと思います。
御指摘のとおり、子供が自ら命を絶つということは、本当に理由のいかんを問わず絶対にあってはならないというふうに思っています。お触れになったとおり、我が省としても三人職員を派遣しまして、今二人張り付きでおりますけれども、それに加えてカウンセラー等の充実もすぐ図りました。何といっても、当該中学校において子供たちが学校に落ち着いて学習できる環境を整えるということが今我々にとって大事でもありまして、一番できることを最大限やりたいというふうに思っております。
これまで以上に、更に今回のことを受けて再発防止のために踏み込んだ対応というのが必要だと思っておりまして、本日、林委員も地元でありますが、地元の奥村副大臣が滋賀知事、それから大津市長、それからまた教育委員会等と面談を相次いで行って意見交換をさせていただき、バックアップの体制等も含め最大限検討したいというふうに思っております。
具体的なこととしては、大津市のみならず全ての学校関係者に対して、いま一度いじめ問題への徹底した取組というものをお願いするとともに、学校、教育委員会だけで抱え込まずに、やはり文部科学省などの我々も、関係者が一丸となって取り組むよう全国に発信をいたしました。大臣談話も出させてもらいました。そして、それに加えて、いじめに悩む子供たちが二十四時間できるだけどこへでもアクセスして相談できるような体制をつくるということで、夜間、休日を含めて二十四時間いじめ相談ダイヤルというものを設置しておりますが、これについてもできるだけ見直す、見直すなり充実するなり、事務方へ早速指示をしましたので、その取組もしていきたい。それから、十七日に文科大臣が、平野大臣が国家公安委員長にも面会をいたしまして、再発防止に向けて、学校、警察それから教育委員会などの連携の枠組みの見直しについても検討するよう指示をしたところでございます。
文部科学省として、まさに再発防止という観点から全力を挙げているところでありますが、引き続き、このようなことが二度と起こらないように、しっかり自殺予防など取り組んでいきたいと思っております。
○林久美子君 ありがとうございます。
子供たちのSOSをしっかりと見逃すことなく受け止められるように、しっかりとサポートいただきたいというふうに思います。
では、早速、子ども・子育て支援の新制度についてお伺いをしたいと思います。
提案者の皆さんを始め、実際に協議に当たられた三党の皆様方の御努力に心からまず敬意を表させていただきたいと思います。
今回の三党合意を受けまして、マスコミなどでは、総合こども園断念とか、非常に文字が、言葉が躍ったわけでございます。しかし、私、今回のを拝見したときに、確かに大きなところでいえば、総合こども園という新しい名前をつくる、新しい法律を定める、あるいは株式会社の参入を認めるというようなことは政府は断念をされたと思います。しかしながら、我々が野党のときから取り組んできた、あるいは今、政権与党として政府の方でも取り組んでいただいた子ども・子育て新システム時代の精神とか基本的理念とか大きな仕組みというのは私はそのまま残っているというふうに思っておりまして、そういう意味については自民党さんも公明党さんも御理解をいただけたんじゃないかなというふうに思っております。
今、改めて、この三党合意を経た後の新制度の評価について、まずは小宮山大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) 林委員がおっしゃったとおり、やはり今回、三党で子ども・子育てについて合意ができたというのは本当に大きな一歩だと私からも感謝を申し上げたいと思っています。
具体的には、政府提出法案が目指していた質の高い幼児期の学校教育、保育を一体的に提供をするということ、それから待機児童の解消、それから地域の子育て支援のための必要な仕組みを導入しようと考えていたわけですが、このかなりの部分は実現ができると思っています。
具体的には、修正を経た現在の関連法案で、幼保連携型認定こども園、これは先駆的な取組だったわけですけれども、課題となっていた二重行政、財政支援が足りないということに対して、二重行政については単一の施設として認可、指導監督を一本化をする、そしてまた、施設型給付を創設して財政支援をするということ、学校と児童福祉施設としての法的位置付けを持たせて幼児期の質の高い学校教育、保育を一体的に提供できるようにしているということがあります。
また、従来考えていた指定制度は導入しませんが、自治体が裁量によって需要があるのに認可しないということがないように、一定の基準を満たせば認可する仕組みといたしましたので、質を確保しながら保育等の量的拡大を図ることができると考えています。また、小規模保育とか家庭的保育、これは市町村の認可事業として財政支援を拡充をいたします。
こうしたことによりまして、最初に申し上げたように、目指していた子ども・子育て支援のかなりの部分は実現ができると思っていまして、三党で合意をしたことは子供たちにとっても大きな前進だと思っています。
○林久美子君 ありがとうございます。
今、小宮山大臣の方からもうポイントの部分はほぼお話しいただいたかと思うんですが、もう少しちょっと詳しく伺ってまいりたいと思います。
私も文科省の政務官時代に小宮山大臣と一緒にこの新システムづくりに取り組ませていただいてまいりました。当時を振り返りますと、やはりいろいろな類型が、当然、幼稚園があり保育所があり認定こども園があるんだけれども、その中で最も私たちが理想形に近いなと思っているのは、今お話しいただきました幼保連携型認定こども園、やはり教育機能と保育の機能を両方兼ね備えたものが、やはり保護者の就労形態にかかわらずに全ての就学前の子供にきちっと提供できる仕組みをつくらなくちゃいけないねということをポイントに据えて取り組んできたような気がいたしております。
かつて、この認定こども園が導入された当時、平成二十四年度には二千か所ということを目標に掲げられてきましたけれども、残念ながらこの四月現在でもまだ九百十一か所にすぎません。何でなかなか広がらないのかというと、今大臣がおっしゃいましたように、幼稚園部分は文科省、保育所部分は厚労省、縦割りの行政がありました。こういう障壁をしっかりと解消していきたいね、認可も所管も給付も二元化されているものを何とかしていきたいねということを確認をしながら進んできたような気がいたしております。例えば、現場では、今この認定こども園ではどういうことが起きているかというと、例えば保育所の部分で作ったレタスは幼稚園の方では使えないとか、極論でいえばそういうこともあったり、先生方は文科省にも厚労省にも書類を書かなきゃいけなかったりということで、非常に現場は煩雑だったし、非常に不便なところがたくさんあったと。
そうした意味では、今大臣おっしゃいましたように、幼保連携型認定こども園を今回拡充をしていくわけですけれども、その中で、障壁となってきた給付や認可や所管はしっかりと一元化をされるのかということを確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) 今回の改革では、幼保連携型認定こども園について、先ほど申し上げたように、単一の施設として認可、指導監督等を一本化をするということ、また、認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付として施設型給付をつくるということ、これで給付も一本化されます。それから、内閣府に子ども・子育て支援法と改正後の認定こども園法を所掌するための子ども・子育て本部を設置いたしまして、ここで所管も一元化をするということを考えています。
さらに、認定こども園法の附則では、幼稚園教諭の免許と保育士の資格について、一体化を含めた在り方に関する検討規定が設けられましたし、子ども・子育て支援法の附則では、総合的な子ども・子育て支援を実施するための行政組織の在り方に関する検討規定、私どもは子ども家庭省をつくりたいと考えていましたが、名称はともかくとして、そうしたものを法公布後二年をめどに検討をするということも規定をされましたので、幼保連携の一層の強化、推進に留意をした内容になっていると思っています。
これで、政府が幼保一体化により目指していた給付の一体化、施設の一体化、窓口の一元化、これが達成できるというふうに考えています。
○林久美子君 ありがとうございます。
今大臣がおっしゃった子ども・子育て本部、内閣府に置かれる、これは恐らくずっと私たちが申し上げてきました子ども家庭省の種になる部分なのかなという気がいたしております。ただ、子ども家庭省は、やはり省庁再々編の中でしっかりと議論をしなくちゃいけないと私は思っていまして、例えば教育側に寄せるのかとか保育側に寄せるのかとか、じゃ労働はどの辺まで入れるんだとか、いろんなケースも研究をしながら、本当に今子供たちにとってどうした形がベストなのかということを探る中で今回の種ができるわけですから、しっかりとスタートをいただきたいというふうにお願いをしたいと思います。つまり、幼保連携型認定こども園の障壁となっていた部分を解消してここに収れんをさせていこうということなんだと思います。
ただ、一方で、今回は、例えば幼稚園に、待機児童のうちの八割がゼロ歳から二歳なわけですが、この部分の受入れを義務付けなかった、あるいは修正協議を経て保育所の移行も義務付けなかったということがありまして、本当にこれは待機児童の解消につながるんだろうかという声が聞かれています。
一方で、私は、待機児童の解消には、こうしたものだけでなく、やはり個と個の関係が大事な年齢でもありますので、小規模保育所や保育ママというものも重要だと思いますが、小規模保育や保育ママは今ほとんど自治体の持ち出しでやっているので、財政力とか首長さんの政策優先度によって大分差があるということがあるわけでございますけれども、こうしたことを踏まえて、三歳未満の子供の受入れを今回どうやって促進をしていくのか、また保育ママや小規模保育所の拡充はどのようにやっていくのか、その結果としてちゃんと待機児童の解消につながるとお考えでいらっしゃるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) 今度の新たな制度の下では、税制の抜本改革によって、その待機児童の解消等、保育の量の確保のためにおよそ〇・四兆円、これを確保することにしています。それとともに、幼稚園の長所を生かしながら保育に取り組んでいただく、今ずっとお話のあった幼保連携型認定こども園、これを少しでも普及をさせていくということ。さらに、認可制度を前提にはしますが、保育所や認定こども園が大都市部で保育の需要の増大に機動的に対応できるように、認可制度を一定の条件以外は必ず認可をしなければいけないというふうに改善をするということ。また、お話にあったゼロ、一、二歳の受入れが中心となる小規模保育や家庭的保育など多様な保育も市町村の認可とはしますが、お話にあったように財政支援が足りないということなので、これも財政支援を拡充をする。質を確保しながら、ゼロから二歳の保育を必要とする子供を始め、保育の量的拡充、これが可能な仕組みになっているというふうに思います。
この仕組みに基づいて市町村が潜在的なニーズも含めた需要を確実に把握をして、それに対応した学校教育、保育の計画的な整備に取り組むということになります。消費税による安定財源確保して、こうした取組を速やかに行うことで、今先取りプロジェクトなどもやっていますが、併せてできるところから速やかに待機児の解消に努めていきたいと思っています。
○林久美子君 待機児童の解消は、やはりこうしたいろんな受皿というか質のいい受皿をしっかりつくっていくことが大事だと思います。ただ、その一方で、この待機児童の問題というのは、場所の問題だけではなくて人がいないという問題が実はあります。公立の保育所ですらも、現場を見ていただくとよく分かるんですが、非常勤の方とか嘱託の方ばかりがやっぱり現場を担っていただいています。
今回、質の改善として〇・三兆円が投じられるというふうに伺っていますが、でも、どうしても何か具体的なイメージが見えにくいんだと思うんですね。
そこでお伺いをしたいんですけれども、やはり配置基準の改善、こうしたこともやはり今回の質の改善では取り組んでいくべきだというふうに思います。本来であれば、ゼロ歳児から全ての就学前の子供たちの年次で配置基準の改善ができるのがベストなわけですけれども、まず第一弾として、少なくとも三歳児からだけでも職員配置の改善を取り組んでいくべきだと私は考えております。
そこで、民主党の提案者の和田議員にお伺いをさせていただきたいと思うんですが、この三歳児を中心とした職員の配置等の改善についてどのようにお考えであるのかと。例えば、三歳児の保育士の配置について、今二十対一ですけれども、これを十五対一にしたときにどれぐらいの費用が掛かるのか、お伺いをしたいと思います。そして、これ必ず質の改善で実現をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(和田隆志君) 林委員にお答えいたします。
委員とは非常に、この一年間、このテーマで一緒に取り組ませていただいておりますが、今回、私、提出者になってみまして、それがさらに、三党の間に同じ考え方を持って、同じ熱意を持って取り組んでいただいている議員の方々がたくさんいらっしゃることを知った、このことが非常に有意義であったと思っています。
その思いを込めて御答弁申し上げますが、今委員御指摘の、配置基準をもう少し、要するに子供に対して充実した面倒が見られるようにということで二十対一から十五対一にというふうに変えるとしますと、保育士さんの追加人数として約八千名ほどが必要になってまいります。こういった方々に、今の平均的な給与でいうと五百万弱だと思いますが、こういったものを支給していくとすると、ここの部分で四百億円ぐらい掛かるというふうに見込まれています。また、それと同時に、三歳児以上につきましては、認定こども園等幼稚園の機能も果たしていかなければいけませんので、幼稚園の機能につきましても、例えば三十五人学級を三十人学級にするということによって追加で千八百人ほど先生方が必要だということで、これにも八十億円。ざっと見込んで五百億円ほど掛かってまいります。
こういったことを今御指摘いただいた三千億円の質的改善の中にきちっと織り込んでいく必要があると考えていますが、もっと言いますと、先ほど小宮山大臣との間で御議論ございましたが、待機児童というものは、現状与えられた待機児童だけではなくて、我々がこうやって施策の展開を図っていけばいくほど、潜在的にお子さんを預けたいと思っていらっしゃった方も、ああ、預けられるんだと思って行っていただくようになりますので、そういった部分を考えますと、やはり我々が修正法案で盛り込みました、附則に書きました一兆円程度、確認にも書きましたが、そういったものが必要であり、また職員それぞれの待遇も改善が必要だと思っておりますので、こういったものを立法府全体の意思で是非実現していきたいと考えております。
○林久美子君 ありがとうございます。
この職員の配置は昭和四十四年から変わっておりませんから、これだけ時代が変わっている中で、家族の形態が変わっている中でこうした待機児童の問題が大きな大きな課題となっているわけですから、しっかりと質のいい幼児教育と保育を実現するために、小宮山大臣、是非これは政府としても実現をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小宮山洋子君) 今提出者からも御答弁がありましたように、〇・七兆のうち〇・三兆は質の改善に充てたいと思っています。その中で、今お話あったように、三歳児のところが二歳児から急に持つ人数が増えますので、二十対一を十五対一にするということ、そうしたことも含めた配置基準ですとか職員の処遇の改善をいたしませんと、いろいろと多様なものを用意してもそこで働く人がいないと駄目なわけですから、そうしたことも含めて取り組みたい。そういう意味では、その〇・七兆だけではなかなか足りないので、昨日も御議論があったように、一兆円超、これを何とか確保をして更に質の改善を進めたいと思っていますので、財源の確保に全力を挙げたいと思っています。
○林久美子君 三党合意で一兆円超となっておりますので、是非、安住大臣には御尽力をお願いをしたいと思います。
今の議論を通じて、今回の新制度によって実際に就学前の子供たちの幼保の一体化や、あるいは職員の配置基準の改善、さらには児福法の二十四条の保育に欠ける要件の撤廃も今回行われますし、自治体がほぼ持ち出しでやってきた横出し部分も国がちゃんと面倒を見るんだと、支援をしていくんだということがお分かりをいただけたかと思います。
今回の改正によって、この就学前の子供たちのみならず、実は学童保育についても大きな前進が見られています。
学童保育についてお伺いをしたいんですが、これまで学童保育についてはガイドラインしかなくて、児童福祉法の中にいろんな基準が盛り込まれていませんでしたので、必然的に財政措置もなかなか思うようにいかず、とはいえ、民主党政権になってこれまで二百億ぐらいだったのが二百八十四億七千八百万円にまで二十四年度は増えてはいますけれども、とはいえ、やはり親御さんが持ち出しで運営をしていたり、非常に質、量共にまだまだ不足をしているという現状があります。それで、保育所は行けたけど小学校になったらもう学童保育に入れなかったということもあり、小一の壁というふうにも言われているわけでございます。
これが、今回の改正によって学童保育についての職員資格と配置の基準が児童福祉法に定められることになりました。これについては、これまで学童にかかわってこられた方たちも大変歴史的なことだと、画期的なことだと大いに期待をしていらっしゃるところでもあります。これと併せて、やはりセットでこちらも質の改善が必要だというふうに考えておりまして、やはり指導員の方の常勤化などには取り組まなくてはいけないというふうに思います。
これについても和田議員にお伺いをしたいんですけれども、例えば、頑張っている学童の、本当は全部がベストなんですけど、スタートとして例えば半分の学童保育に常勤の指導員さんを置くと仮定した場合にどれぐらいの費用が掛かるんでしょうか。これについても是非実現をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(和田隆志君) お答えいたします。
実は、私自身もこの学童クラブにつきましては、自分の子供を預かっていただくときの思いも非常にありまして、是非とも実現させていきたいというふうに思っています。そうはいえ、いろいろ地域によっては実情が異なりますので、今委員御指摘のように、現在までには例えば二万九千か所ほどございますが、その中の半数ぐらいに常勤の指導員の方々を配置するということにしますと、この部分でもやはり四百億円、つまり数百億円掛かっていくわけでございます。
実際、私、子供を預けてみて思いますが、例えば学校に併設されているようなところもあれば、一つ単独で設置されているところもある、そういった実情いろいろございますので、それらに応じて、本当に一人要るのか、いなくていいのか、二人要るのか、こんなことがいろいろあると思いますが、これらもやっぱり数百億円の規模が掛かる話だと思いますので、先ほどお話ししたようなこと等含めまして是非とも実現していきたいと考えています。
○林久美子君 和田議員はある意味非常にイクメンでいらっしゃって、子供さんを保育所に送り迎えされたりもしていらっしゃるのを私も存じ上げておりますけれども、まさにそうした意味で小一の壁を何としても今回突破をしていきたいというふうに思います。
そこで、小宮山大臣、是非、小宮山大臣御自身も三人の息子さんを育てられながらお仕事を続けてこられたわけですけれども、多分同じような御苦労をされていると思います。この学童保育の指導員の常勤化について御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) いわゆる学童、放課後児童クラブについては、今委員がおっしゃったガイドラインも、衆議院の青少年特でこれは当時与党であった自民党さんと協力をして作ったものなんですね。今回、児童福祉法にきちんと位置付けることによって、言われる職員体制の充実ですとか職員の資格、人数など、そうした基準を国が定めて質の改善を図りたいと思っていますが、その常勤がいないということは非常にやはり子供たちにとっても大きな問題だと思っていますので、これも〇・七兆のうちの〇・三兆をまず使い、そして先ほどお話にあった一兆円超を確保しまして、更にそこのところを質の改善に力を入れていきたいと、決意を持ってやっていきたいというふうに思います。
○林久美子君 ありがとうございます。
是非、決意を持ってやっていきたいという御答弁をいただきましたが、何としても実現をいただきたいと思います。
と同時に、この学童については、これまでおおむね十歳未満という規定があって、小学校四年生になったら、学童も足りていないということもありますので、退所しなくてはいけないというようなケースが数多く見られました。
今回の改正によって、やはり多くの保護者の皆さんはこのおおむね十歳未満の規定はどうなるんだろうかと思っていらっしゃいますが、このおおむね十歳未満の規定はどうなるのか、小宮山大臣、お聞かせください。
○国務大臣(小宮山洋子君) 放課後児童クラブの対象者については、現在の児童福祉法では、言われるように、小学校に就学しているおおむね十歳未満の児童と規定をしています。
今度、新しい制度では、小学校に就学している児童として、小学校四年生以上も含めて全ての留守家庭の小学生が放課後児童クラブの対象者になるということをこれは法律上明確化をいたします。市町村が放課後児童クラブに対する地域のニーズを把握をして計画的に事業を実施する仕組みにすることによりまして、放課後児童クラブ、本当に必要な人は入れるようにということで充実を図っていきたいと思います。
○林久美子君 ありがとうございました。
今日はいろいろな、学童の話と幼保連携型認定こども園のお話を伺いましたけれども、冒頭申し上げましたように、政府が提出をされました新システム法と今回の三党合意を経た後の法案を見比べると本当によく分かるんですけれども、新しい法律を作るということと、株式会社については今回認められませんでしたけれども、児童福祉法二十四条の保育に欠ける要件が撤廃をされる、そして待機児童の解消については、これまで幼保連携型認定こども園の壁となってきた文科省と厚労省の二元行政が内閣府に一元化をされて、認可も所管も給付も一体化をされるという意味で、まさに幼保一体化の実質的なスタートであるということ、さらには、小規模保育や保育ママ、そうしたものについても国がしっかりと責任を持って支援をしていくということ、本当にいろんな意味で、小一の壁で御苦労いただいている学童についても今回法律に明記をされて、さらには指導員の常勤化も含めて取り組んでいただけるということ、これは全て新システム法の中でうたってきた話でもあります。そうしたことも含めながら、本当に三党で子供たちにとって何が最善の利益なのかというまさに視点に立って今回合意がなされたんだというふうに私は思っております。
そうした意味では、やはり少子化というのが大きな大きな問題になっていますけれども、子供を持ちたい人が持てなくなっている社会というのはもう本当に私はゆゆしき事態だと思っております。そういった部分でしっかりと、子供を持ちたいと思っている方たちの気持ちに寄り添いながら、そして生まれてきてくれた子供たちにとって何が最善の利益なのかをしっかりと政治が考えながら取り組んでいく必要があると思います。
そういう意味では、今回の社会保障と税の一体改革によってその財源が子供に投じられて、まさに人生前半の社会保障が充実をして、本当に弱いときにちゃんと支えられる社会がつくられるということは、私は非常に意味のあることだと思います。
そして最後に、安住大臣、済みません、通告はさせていただいていないんですけれども、いかにこの子ども・子育て支援の今回の取組が重要なのかというのはお聞きをいただければお分かりをいただけたんじゃないかと思いますので、三党では一兆円超となっておりますので、是非その確保に向けた御決意をお聞かせをいただければと思います。
○国務大臣(安住淳君) 立法府の御意思として一兆というお金を出すようにという御指示でございますから、私としては、残りの三千億、大変三千億というのは大きい金でございますが、何としても努力をして捻出をしたいと思います。
○林久美子君 ありがとうございました。
それでは、本当に立法府として、政党も超えてみんなで力を合わせて頑張っていければと思います。
ありがとうございました。

○林久美子君 おはようございます。民主党の林久美子でございます。本日は、子ども・子育て支援の新しい制度についてお伺いをしてまいりたいと思います。 その質問に先立ちまして、まず、大津で発生をしたいじめ自殺事件についてお伺いをしたいと思います。 私にも小学校四年生の息子がおりますけれども、これは政治家としてのみならず、一人の親として、本当にこういうことがもう二度と起きたらいけないんだと、こういう事件が起きるたびに私たちはいつもそのように思い、誓うわけですけれども、残念ながらこうしたことがまた起きてしまいました。少子化が言われている昨今にあって、せっかく生まれてきてくれた命で、大きな未来を持っている命がこんなふうに絶たれてしまうというのは本当につらくて、本当に胸が締め付けられる思いは多分皆さんお持ちだと思います。 今回は、市長と市教委あるいは学校、県教委などの連携等々、やっぱりいろいろな課題もあったような気がするわけですけれども、こうした中で、文科省も今回職員を現地に常駐をさせていただくような取組もいただいておりますが、改めて、教育行政をつかさどる文科省に、こうしたことがもう二度と起こらないようにという御決意を高井副大臣に伺いたいと思います。
○副大臣(高井美穂君) 林委員には、地元でもあられますし、いろいろと御心配の向き、本当に心中お察し申し上げます。そして、まず今回亡くなられた男子生徒さんの御冥福を心よりお祈りをしたいと思います。 御指摘のとおり、子供が自ら命を絶つということは、本当に理由のいかんを問わず絶対にあってはならないというふうに思っています。お触れになったとおり、我が省としても三人職員を派遣しまして、今二人張り付きでおりますけれども、それに加えてカウンセラー等の充実もすぐ図りました。何といっても、当該中学校において子供たちが学校に落ち着いて学習できる環境を整えるということが今我々にとって大事でもありまして、一番できることを最大限やりたいというふうに思っております。 これまで以上に、更に今回のことを受けて再発防止のために踏み込んだ対応というのが必要だと思っておりまして、本日、林委員も地元でありますが、地元の奥村副大臣が滋賀知事、それから大津市長、それからまた教育委員会等と面談を相次いで行って意見交換をさせていただき、バックアップの体制等も含め最大限検討したいというふうに思っております。 具体的なこととしては、大津市のみならず全ての学校関係者に対して、いま一度いじめ問題への徹底した取組というものをお願いするとともに、学校、教育委員会だけで抱え込まずに、やはり文部科学省などの我々も、関係者が一丸となって取り組むよう全国に発信をいたしました。大臣談話も出させてもらいました。そして、それに加えて、いじめに悩む子供たちが二十四時間できるだけどこへでもアクセスして相談できるような体制をつくるということで、夜間、休日を含めて二十四時間いじめ相談ダイヤルというものを設置しておりますが、これについてもできるだけ見直す、見直すなり充実するなり、事務方へ早速指示をしましたので、その取組もしていきたい。それから、十七日に文科大臣が、平野大臣が国家公安委員長にも面会をいたしまして、再発防止に向けて、学校、警察それから教育委員会などの連携の枠組みの見直しについても検討するよう指示をしたところでございます。 文部科学省として、まさに再発防止という観点から全力を挙げているところでありますが、引き続き、このようなことが二度と起こらないように、しっかり自殺予防など取り組んでいきたいと思っております。
○林久美子君 ありがとうございます。 子供たちのSOSをしっかりと見逃すことなく受け止められるように、しっかりとサポートいただきたいというふうに思います。 では、早速、子ども・子育て支援の新制度についてお伺いをしたいと思います。 提案者の皆さんを始め、実際に協議に当たられた三党の皆様方の御努力に心からまず敬意を表させていただきたいと思います。 今回の三党合意を受けまして、マスコミなどでは、総合こども園断念とか、非常に文字が、言葉が躍ったわけでございます。しかし、私、今回のを拝見したときに、確かに大きなところでいえば、総合こども園という新しい名前をつくる、新しい法律を定める、あるいは株式会社の参入を認めるというようなことは政府は断念をされたと思います。しかしながら、我々が野党のときから取り組んできた、あるいは今、政権与党として政府の方でも取り組んでいただいた子ども・子育て新システム時代の精神とか基本的理念とか大きな仕組みというのは私はそのまま残っているというふうに思っておりまして、そういう意味については自民党さんも公明党さんも御理解をいただけたんじゃないかなというふうに思っております。 今、改めて、この三党合意を経た後の新制度の評価について、まずは小宮山大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) 林委員がおっしゃったとおり、やはり今回、三党で子ども・子育てについて合意ができたというのは本当に大きな一歩だと私からも感謝を申し上げたいと思っています。 具体的には、政府提出法案が目指していた質の高い幼児期の学校教育、保育を一体的に提供をするということ、それから待機児童の解消、それから地域の子育て支援のための必要な仕組みを導入しようと考えていたわけですが、このかなりの部分は実現ができると思っています。 具体的には、修正を経た現在の関連法案で、幼保連携型認定こども園、これは先駆的な取組だったわけですけれども、課題となっていた二重行政、財政支援が足りないということに対して、二重行政については単一の施設として認可、指導監督を一本化をする、そしてまた、施設型給付を創設して財政支援をするということ、学校と児童福祉施設としての法的位置付けを持たせて幼児期の質の高い学校教育、保育を一体的に提供できるようにしているということがあります。 また、従来考えていた指定制度は導入しませんが、自治体が裁量によって需要があるのに認可しないということがないように、一定の基準を満たせば認可する仕組みといたしましたので、質を確保しながら保育等の量的拡大を図ることができると考えています。また、小規模保育とか家庭的保育、これは市町村の認可事業として財政支援を拡充をいたします。 こうしたことによりまして、最初に申し上げたように、目指していた子ども・子育て支援のかなりの部分は実現ができると思っていまして、三党で合意をしたことは子供たちにとっても大きな前進だと思っています。
○林久美子君 ありがとうございます。 今、小宮山大臣の方からもうポイントの部分はほぼお話しいただいたかと思うんですが、もう少しちょっと詳しく伺ってまいりたいと思います。 私も文科省の政務官時代に小宮山大臣と一緒にこの新システムづくりに取り組ませていただいてまいりました。当時を振り返りますと、やはりいろいろな類型が、当然、幼稚園があり保育所があり認定こども園があるんだけれども、その中で最も私たちが理想形に近いなと思っているのは、今お話しいただきました幼保連携型認定こども園、やはり教育機能と保育の機能を両方兼ね備えたものが、やはり保護者の就労形態にかかわらずに全ての就学前の子供にきちっと提供できる仕組みをつくらなくちゃいけないねということをポイントに据えて取り組んできたような気がいたしております。 かつて、この認定こども園が導入された当時、平成二十四年度には二千か所ということを目標に掲げられてきましたけれども、残念ながらこの四月現在でもまだ九百十一か所にすぎません。何でなかなか広がらないのかというと、今大臣がおっしゃいましたように、幼稚園部分は文科省、保育所部分は厚労省、縦割りの行政がありました。こういう障壁をしっかりと解消していきたいね、認可も所管も給付も二元化されているものを何とかしていきたいねということを確認をしながら進んできたような気がいたしております。例えば、現場では、今この認定こども園ではどういうことが起きているかというと、例えば保育所の部分で作ったレタスは幼稚園の方では使えないとか、極論でいえばそういうこともあったり、先生方は文科省にも厚労省にも書類を書かなきゃいけなかったりということで、非常に現場は煩雑だったし、非常に不便なところがたくさんあったと。 そうした意味では、今大臣おっしゃいましたように、幼保連携型認定こども園を今回拡充をしていくわけですけれども、その中で、障壁となってきた給付や認可や所管はしっかりと一元化をされるのかということを確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) 今回の改革では、幼保連携型認定こども園について、先ほど申し上げたように、単一の施設として認可、指導監督等を一本化をするということ、また、認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付として施設型給付をつくるということ、これで給付も一本化されます。それから、内閣府に子ども・子育て支援法と改正後の認定こども園法を所掌するための子ども・子育て本部を設置いたしまして、ここで所管も一元化をするということを考えています。 さらに、認定こども園法の附則では、幼稚園教諭の免許と保育士の資格について、一体化を含めた在り方に関する検討規定が設けられましたし、子ども・子育て支援法の附則では、総合的な子ども・子育て支援を実施するための行政組織の在り方に関する検討規定、私どもは子ども家庭省をつくりたいと考えていましたが、名称はともかくとして、そうしたものを法公布後二年をめどに検討をするということも規定をされましたので、幼保連携の一層の強化、推進に留意をした内容になっていると思っています。 これで、政府が幼保一体化により目指していた給付の一体化、施設の一体化、窓口の一元化、これが達成できるというふうに考えています。
○林久美子君 ありがとうございます。 今大臣がおっしゃった子ども・子育て本部、内閣府に置かれる、これは恐らくずっと私たちが申し上げてきました子ども家庭省の種になる部分なのかなという気がいたしております。ただ、子ども家庭省は、やはり省庁再々編の中でしっかりと議論をしなくちゃいけないと私は思っていまして、例えば教育側に寄せるのかとか保育側に寄せるのかとか、じゃ労働はどの辺まで入れるんだとか、いろんなケースも研究をしながら、本当に今子供たちにとってどうした形がベストなのかということを探る中で今回の種ができるわけですから、しっかりとスタートをいただきたいというふうにお願いをしたいと思います。つまり、幼保連携型認定こども園の障壁となっていた部分を解消してここに収れんをさせていこうということなんだと思います。 ただ、一方で、今回は、例えば幼稚園に、待機児童のうちの八割がゼロ歳から二歳なわけですが、この部分の受入れを義務付けなかった、あるいは修正協議を経て保育所の移行も義務付けなかったということがありまして、本当にこれは待機児童の解消につながるんだろうかという声が聞かれています。 一方で、私は、待機児童の解消には、こうしたものだけでなく、やはり個と個の関係が大事な年齢でもありますので、小規模保育所や保育ママというものも重要だと思いますが、小規模保育や保育ママは今ほとんど自治体の持ち出しでやっているので、財政力とか首長さんの政策優先度によって大分差があるということがあるわけでございますけれども、こうしたことを踏まえて、三歳未満の子供の受入れを今回どうやって促進をしていくのか、また保育ママや小規模保育所の拡充はどのようにやっていくのか、その結果としてちゃんと待機児童の解消につながるとお考えでいらっしゃるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) 今度の新たな制度の下では、税制の抜本改革によって、その待機児童の解消等、保育の量の確保のためにおよそ〇・四兆円、これを確保することにしています。それとともに、幼稚園の長所を生かしながら保育に取り組んでいただく、今ずっとお話のあった幼保連携型認定こども園、これを少しでも普及をさせていくということ。さらに、認可制度を前提にはしますが、保育所や認定こども園が大都市部で保育の需要の増大に機動的に対応できるように、認可制度を一定の条件以外は必ず認可をしなければいけないというふうに改善をするということ。また、お話にあったゼロ、一、二歳の受入れが中心となる小規模保育や家庭的保育など多様な保育も市町村の認可とはしますが、お話にあったように財政支援が足りないということなので、これも財政支援を拡充をする。質を確保しながら、ゼロから二歳の保育を必要とする子供を始め、保育の量的拡充、これが可能な仕組みになっているというふうに思います。 この仕組みに基づいて市町村が潜在的なニーズも含めた需要を確実に把握をして、それに対応した学校教育、保育の計画的な整備に取り組むということになります。消費税による安定財源確保して、こうした取組を速やかに行うことで、今先取りプロジェクトなどもやっていますが、併せてできるところから速やかに待機児の解消に努めていきたいと思っています。
○林久美子君 待機児童の解消は、やはりこうしたいろんな受皿というか質のいい受皿をしっかりつくっていくことが大事だと思います。ただ、その一方で、この待機児童の問題というのは、場所の問題だけではなくて人がいないという問題が実はあります。公立の保育所ですらも、現場を見ていただくとよく分かるんですが、非常勤の方とか嘱託の方ばかりがやっぱり現場を担っていただいています。 今回、質の改善として〇・三兆円が投じられるというふうに伺っていますが、でも、どうしても何か具体的なイメージが見えにくいんだと思うんですね。 そこでお伺いをしたいんですけれども、やはり配置基準の改善、こうしたこともやはり今回の質の改善では取り組んでいくべきだというふうに思います。本来であれば、ゼロ歳児から全ての就学前の子供たちの年次で配置基準の改善ができるのがベストなわけですけれども、まず第一弾として、少なくとも三歳児からだけでも職員配置の改善を取り組んでいくべきだと私は考えております。 そこで、民主党の提案者の和田議員にお伺いをさせていただきたいと思うんですが、この三歳児を中心とした職員の配置等の改善についてどのようにお考えであるのかと。例えば、三歳児の保育士の配置について、今二十対一ですけれども、これを十五対一にしたときにどれぐらいの費用が掛かるのか、お伺いをしたいと思います。そして、これ必ず質の改善で実現をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(和田隆志君) 林委員にお答えいたします。 委員とは非常に、この一年間、このテーマで一緒に取り組ませていただいておりますが、今回、私、提出者になってみまして、それがさらに、三党の間に同じ考え方を持って、同じ熱意を持って取り組んでいただいている議員の方々がたくさんいらっしゃることを知った、このことが非常に有意義であったと思っています。 その思いを込めて御答弁申し上げますが、今委員御指摘の、配置基準をもう少し、要するに子供に対して充実した面倒が見られるようにということで二十対一から十五対一にというふうに変えるとしますと、保育士さんの追加人数として約八千名ほどが必要になってまいります。こういった方々に、今の平均的な給与でいうと五百万弱だと思いますが、こういったものを支給していくとすると、ここの部分で四百億円ぐらい掛かるというふうに見込まれています。また、それと同時に、三歳児以上につきましては、認定こども園等幼稚園の機能も果たしていかなければいけませんので、幼稚園の機能につきましても、例えば三十五人学級を三十人学級にするということによって追加で千八百人ほど先生方が必要だということで、これにも八十億円。ざっと見込んで五百億円ほど掛かってまいります。 こういったことを今御指摘いただいた三千億円の質的改善の中にきちっと織り込んでいく必要があると考えていますが、もっと言いますと、先ほど小宮山大臣との間で御議論ございましたが、待機児童というものは、現状与えられた待機児童だけではなくて、我々がこうやって施策の展開を図っていけばいくほど、潜在的にお子さんを預けたいと思っていらっしゃった方も、ああ、預けられるんだと思って行っていただくようになりますので、そういった部分を考えますと、やはり我々が修正法案で盛り込みました、附則に書きました一兆円程度、確認にも書きましたが、そういったものが必要であり、また職員それぞれの待遇も改善が必要だと思っておりますので、こういったものを立法府全体の意思で是非実現していきたいと考えております。
○林久美子君 ありがとうございます。 この職員の配置は昭和四十四年から変わっておりませんから、これだけ時代が変わっている中で、家族の形態が変わっている中でこうした待機児童の問題が大きな大きな課題となっているわけですから、しっかりと質のいい幼児教育と保育を実現するために、小宮山大臣、是非これは政府としても実現をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小宮山洋子君) 今提出者からも御答弁がありましたように、〇・七兆のうち〇・三兆は質の改善に充てたいと思っています。その中で、今お話あったように、三歳児のところが二歳児から急に持つ人数が増えますので、二十対一を十五対一にするということ、そうしたことも含めた配置基準ですとか職員の処遇の改善をいたしませんと、いろいろと多様なものを用意してもそこで働く人がいないと駄目なわけですから、そうしたことも含めて取り組みたい。そういう意味では、その〇・七兆だけではなかなか足りないので、昨日も御議論があったように、一兆円超、これを何とか確保をして更に質の改善を進めたいと思っていますので、財源の確保に全力を挙げたいと思っています。
○林久美子君 三党合意で一兆円超となっておりますので、是非、安住大臣には御尽力をお願いをしたいと思います。 今の議論を通じて、今回の新制度によって実際に就学前の子供たちの幼保の一体化や、あるいは職員の配置基準の改善、さらには児福法の二十四条の保育に欠ける要件の撤廃も今回行われますし、自治体がほぼ持ち出しでやってきた横出し部分も国がちゃんと面倒を見るんだと、支援をしていくんだということがお分かりをいただけたかと思います。 今回の改正によって、この就学前の子供たちのみならず、実は学童保育についても大きな前進が見られています。 学童保育についてお伺いをしたいんですが、これまで学童保育についてはガイドラインしかなくて、児童福祉法の中にいろんな基準が盛り込まれていませんでしたので、必然的に財政措置もなかなか思うようにいかず、とはいえ、民主党政権になってこれまで二百億ぐらいだったのが二百八十四億七千八百万円にまで二十四年度は増えてはいますけれども、とはいえ、やはり親御さんが持ち出しで運営をしていたり、非常に質、量共にまだまだ不足をしているという現状があります。それで、保育所は行けたけど小学校になったらもう学童保育に入れなかったということもあり、小一の壁というふうにも言われているわけでございます。 これが、今回の改正によって学童保育についての職員資格と配置の基準が児童福祉法に定められることになりました。これについては、これまで学童にかかわってこられた方たちも大変歴史的なことだと、画期的なことだと大いに期待をしていらっしゃるところでもあります。これと併せて、やはりセットでこちらも質の改善が必要だというふうに考えておりまして、やはり指導員の方の常勤化などには取り組まなくてはいけないというふうに思います。 これについても和田議員にお伺いをしたいんですけれども、例えば、頑張っている学童の、本当は全部がベストなんですけど、スタートとして例えば半分の学童保育に常勤の指導員さんを置くと仮定した場合にどれぐらいの費用が掛かるんでしょうか。これについても是非実現をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(和田隆志君) お答えいたします。 実は、私自身もこの学童クラブにつきましては、自分の子供を預かっていただくときの思いも非常にありまして、是非とも実現させていきたいというふうに思っています。そうはいえ、いろいろ地域によっては実情が異なりますので、今委員御指摘のように、現在までには例えば二万九千か所ほどございますが、その中の半数ぐらいに常勤の指導員の方々を配置するということにしますと、この部分でもやはり四百億円、つまり数百億円掛かっていくわけでございます。 実際、私、子供を預けてみて思いますが、例えば学校に併設されているようなところもあれば、一つ単独で設置されているところもある、そういった実情いろいろございますので、それらに応じて、本当に一人要るのか、いなくていいのか、二人要るのか、こんなことがいろいろあると思いますが、これらもやっぱり数百億円の規模が掛かる話だと思いますので、先ほどお話ししたようなこと等含めまして是非とも実現していきたいと考えています。
○林久美子君 和田議員はある意味非常にイクメンでいらっしゃって、子供さんを保育所に送り迎えされたりもしていらっしゃるのを私も存じ上げておりますけれども、まさにそうした意味で小一の壁を何としても今回突破をしていきたいというふうに思います。 そこで、小宮山大臣、是非、小宮山大臣御自身も三人の息子さんを育てられながらお仕事を続けてこられたわけですけれども、多分同じような御苦労をされていると思います。この学童保育の指導員の常勤化について御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) いわゆる学童、放課後児童クラブについては、今委員がおっしゃったガイドラインも、衆議院の青少年特でこれは当時与党であった自民党さんと協力をして作ったものなんですね。今回、児童福祉法にきちんと位置付けることによって、言われる職員体制の充実ですとか職員の資格、人数など、そうした基準を国が定めて質の改善を図りたいと思っていますが、その常勤がいないということは非常にやはり子供たちにとっても大きな問題だと思っていますので、これも〇・七兆のうちの〇・三兆をまず使い、そして先ほどお話にあった一兆円超を確保しまして、更にそこのところを質の改善に力を入れていきたいと、決意を持ってやっていきたいというふうに思います。
○林久美子君 ありがとうございます。 是非、決意を持ってやっていきたいという御答弁をいただきましたが、何としても実現をいただきたいと思います。 と同時に、この学童については、これまでおおむね十歳未満という規定があって、小学校四年生になったら、学童も足りていないということもありますので、退所しなくてはいけないというようなケースが数多く見られました。 今回の改正によって、やはり多くの保護者の皆さんはこのおおむね十歳未満の規定はどうなるんだろうかと思っていらっしゃいますが、このおおむね十歳未満の規定はどうなるのか、小宮山大臣、お聞かせください。
○国務大臣(小宮山洋子君) 放課後児童クラブの対象者については、現在の児童福祉法では、言われるように、小学校に就学しているおおむね十歳未満の児童と規定をしています。 今度、新しい制度では、小学校に就学している児童として、小学校四年生以上も含めて全ての留守家庭の小学生が放課後児童クラブの対象者になるということをこれは法律上明確化をいたします。市町村が放課後児童クラブに対する地域のニーズを把握をして計画的に事業を実施する仕組みにすることによりまして、放課後児童クラブ、本当に必要な人は入れるようにということで充実を図っていきたいと思います。
○林久美子君 ありがとうございました。 今日はいろいろな、学童の話と幼保連携型認定こども園のお話を伺いましたけれども、冒頭申し上げましたように、政府が提出をされました新システム法と今回の三党合意を経た後の法案を見比べると本当によく分かるんですけれども、新しい法律を作るということと、株式会社については今回認められませんでしたけれども、児童福祉法二十四条の保育に欠ける要件が撤廃をされる、そして待機児童の解消については、これまで幼保連携型認定こども園の壁となってきた文科省と厚労省の二元行政が内閣府に一元化をされて、認可も所管も給付も一体化をされるという意味で、まさに幼保一体化の実質的なスタートであるということ、さらには、小規模保育や保育ママ、そうしたものについても国がしっかりと責任を持って支援をしていくということ、本当にいろんな意味で、小一の壁で御苦労いただいている学童についても今回法律に明記をされて、さらには指導員の常勤化も含めて取り組んでいただけるということ、これは全て新システム法の中でうたってきた話でもあります。そうしたことも含めながら、本当に三党で子供たちにとって何が最善の利益なのかというまさに視点に立って今回合意がなされたんだというふうに私は思っております。 そうした意味では、やはり少子化というのが大きな大きな問題になっていますけれども、子供を持ちたい人が持てなくなっている社会というのはもう本当に私はゆゆしき事態だと思っております。そういった部分でしっかりと、子供を持ちたいと思っている方たちの気持ちに寄り添いながら、そして生まれてきてくれた子供たちにとって何が最善の利益なのかをしっかりと政治が考えながら取り組んでいく必要があると思います。 そういう意味では、今回の社会保障と税の一体改革によってその財源が子供に投じられて、まさに人生前半の社会保障が充実をして、本当に弱いときにちゃんと支えられる社会がつくられるということは、私は非常に意味のあることだと思います。 そして最後に、安住大臣、済みません、通告はさせていただいていないんですけれども、いかにこの子ども・子育て支援の今回の取組が重要なのかというのはお聞きをいただければお分かりをいただけたんじゃないかと思いますので、三党では一兆円超となっておりますので、是非その確保に向けた御決意をお聞かせをいただければと思います。
○国務大臣(安住淳君) 立法府の御意思として一兆というお金を出すようにという御指示でございますから、私としては、残りの三千億、大変三千億というのは大きい金でございますが、何としても努力をして捻出をしたいと思います。
○林久美子君 ありがとうございました。 それでは、本当に立法府として、政党も超えてみんなで力を合わせて頑張っていければと思います。 ありがとうございました。