KUMIKO HAYASHI OFFICIAL

第180回通常国会 総務委員会 2012年3月29日

第180回通常国会 総務委員会 2012年3月29日

○林久美子君 おはようございます。民主党の林久美子でございます。
総理におかれましては、連日大変な激務の中、ありがとうございます。
本日、十分間という限られた時間ではございますけれども、御質問をさせていただきたいと思います。
国も地方も大変な財政難の中であえいでいるわけでございますけれども、そうした中で、住民にとって最も身近な市町村にどうやってしっかりと自治を担っていただくのかということはしっかりと考えなくてはいけないというふうに思っております。一方で、地域経済の格差は拡大をしておりまして、地方交付税の地域間格差の是正機能を復元していくために地方交付税の総額を十分に確保することは重要な課題というふうになっております。
政権交代後、非常に国自身も財政が厳しい中ではありますけれども、何とか三位一体改革前の水準まで戻したことについて、地方自治体からは一定の評価もいただいているところでもございます。しかしながら、地方交付税の総額の積算の内訳を見てみますと、本来的には国税五税で賄うべきところを大幅な一般会計の加算で確保しているということも見えてくるわけでございます。
そこでまず、常態化している地方財政収支の財源不足についてお伺いをしたいと思います。
地方交付税法第六条の三第二項には、普通交付税の総額が引き続き各地方団体について算定した額の合算額と著しく異なることとなった場合においては、地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正又は第六条第一項に定める率の変更を行うものというふうに定められております。
この条文における引き続きというものの解釈については、これまで、昭和二十九年の参議院地方行政委員会における、二年以上ずっと赤字で、それからまた見通される三年以降も赤字だというときであり、著しくというのは、不足額が地方交付税総額の一割程度以上という見解がこれまで踏襲されてきているわけでございますが、まず川端大臣、この見解に変化というか変更というのはございませんでしょうか。
○国務大臣(川端達夫君) 御指摘のように、引き続きとは、地方財政について二年度連続して財源不足が生じ、三年度目以降も生じると見込まれる場合を指すものと。また、著しく異なるとは、財源不足が法定率分として算定した普通交付税総額のおおむね一割程度以上となる場合を指すものと解されております。
○林久美子君 平成八年度以降、十七年連続でこの第六条の三第二項に該当する状態が続いているわけでございます。その結果、地方行政というのは非常に不安定になっておりまして、地方が安心して政策を遂行できるような環境にはまだまだなかなかなっていないということでございます。
こうした地方の財源不足を解消して地方交付税の安定性と予見可能性を高める必要があるというふうに思いますけれども、野田総理の御見解をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) おはようございます。
ただいま林委員からは、交付税の安定性向上と予見可能性の重要性についてのお尋ねがございました。
地方団体がそれぞれの創意工夫を凝らしながら中長期的な観点から計画的に財政運営を行っていくためには、地方税、地方交付税等の地方一般財源総額について安定的でかつ予見性が高いものであることが望ましいと思います。
この観点も踏まえまして、中期財政フレームにおいては、平成二十四年度から平成二十六年度において、交付団体始め地方の一般財源総額については、平成二十三年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保することとしているところでございます。
○林久美子君 総理もしっかりと安定した財源の確保と予見可能性の向上が重要だというふうに御理解をいただいているということかと思いますけれども、平成八年度以降、この国、地方の折半ルールの原則に基づく措置が行われています。これは民主党政権においても同じでございますけれども、しかしこの折半ルールというのはそもそもある意味地方交付税の先食いの世界でございまして、本質的な問題の解決にはいまだつながっていないというふうに考えております。
こうした財政状況厳しい事態がずっと続き、とりわけ民主党政権は地域主権ということを言ってきているわけである以上、本質的な問題の解決を図る必要があるというふうに思っております。すなわち、これはもう折半ルールでつなぐのではなくて、第六条の三第二項に規定されている率の変更、すなわち法定率を変更して引き上げるべきであると考えますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) ただいま参議院で御審議いただいております平成二十四年度の当初予算では法定率の引上げは行っておりませんが、国の財政も極めて厳しい状況の中にありまして、地方に最大限配慮する観点から、別枠加算などにより地方交付税総額を五年連続で増額することとしまして、地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源総額を確保したところでございます。
また、地方交付税の対象税目は、これは長年の地方財政対策の議論の中で現在の五税目となったものでございますが、これらの税目は国税収入の八割を占める基幹税目であり、これらの税目を組み合わせることによって交付税の安定性は確保されているものと考えておりますが、いずれにせよ、今後とも地域に必要なサービスを確実に提供できるよう、法定率やあるいは対象税目の在り方など地方交付税の議論も行いつつ、地域主権戦略大綱に従って地方税財源の充実確保を図っていきたいと考えている次第であります。
○林久美子君 ありがとうございます。
今総理から税目についてのお話もいただきました。国税五税の中を見てみますと、本当にたばこ税とか酒税というのは非常にもう少なくなっていて、安定的に財源を確保していくためには税目を入れ替えたり増やしたり、課税自主権をどうしていくのかということも考えなくてはいけないし、ある意味ではもう税については日本国内見渡すと、ほぼ掛けられるものには掛けてしまっているところもありますので、じゃ一回整理をして、国が何を持って地方が何を持つのかというような抜本的な見直しというのも必要だというふうに考えておりますので、今社会保障と税の一体改革というまさに大きな大きな改革に取り組もうとしている中でもありますので、こうした点についても御検討いただきたいというふうに思います。
ちょっと話は変わりますけれども、今ほど申し上げました今国会の最大のテーマは社会保障と税の一体改革かもしれません。そうした中で、今回は医療、年金、介護という高齢者三経費、人生後半の社会保障のみならず、子ども・子育て新システムを入れて、人生前半の社会保障も充実していこうということになっております。今回の一体改革から新システムについては七千億円が投じられるということでございますけれども、この新システムの大きな柱の一つが幼稚園と保育所の一体化の幼保一体化でございます。
しかしながら、この文科省と厚労省の縦割りの壁を乗り越えて、内閣府でしっかりとこども園給付をやっていこうということになっているわけでございますが、実はこのこども園給付の中の子ども・子育て交付金を見てみますと、公立の幼稚園と保育所は実は残念ながらこの交付金の対象外で、これまでと同様、地方交付税により措置をされるということになっています。しかし、財源を一体化しようと言っている以上、どうかこの公立の保育所と幼稚園の運営費についても子ども・子育て交付金に一体化していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○大臣政務官(園田康博君) 先生、私もこの基本制度ワーキングの制度設計の中で座長を務めさせていただきましたので、前提だけちょっとお話をさせていただきます。
先生御案内のとおり、現行の公立の幼稚園あるいは保育所、これにつきましては、財源が現状、地方交付税によっての措置がされているという形になります。そこで、私どもとしては、こういった御指摘が、御心配がならないようにということで、子ども・子育て会議、これは子ども・子育て会議の地方版という形で、費用の使途制限であるとか実績であるとか、あるいは事業の点検、評価という形で分かりやすくきちっとさせていただきたいというふうに思っておりまして、今の現状の地方主権の考え方等鑑みて、この子育て会議をしっかりと運用していただいて、分かりやすく国民の皆さん、地域の皆さん方にはしていただけるものではないかというふうに考えておるところでございます。
○林久美子君 しっかりと、今年は難しくても将来的には一体化について御検討をお願いいたしたいと思います。
終わります。

180-参-総務委員会-8号 平成24年03月29日
○林久美子君 おはようございます。民主党の林久美子でございます。 総理におかれましては、連日大変な激務の中、ありがとうございます。 本日、十分間という限られた時間ではございますけれども、御質問をさせていただきたいと思います。 国も地方も大変な財政難の中であえいでいるわけでございますけれども、そうした中で、住民にとって最も身近な市町村にどうやってしっかりと自治を担っていただくのかということはしっかりと考えなくてはいけないというふうに思っております。一方で、地域経済の格差は拡大をしておりまして、地方交付税の地域間格差の是正機能を復元していくために地方交付税の総額を十分に確保することは重要な課題というふうになっております。 政権交代後、非常に国自身も財政が厳しい中ではありますけれども、何とか三位一体改革前の水準まで戻したことについて、地方自治体からは一定の評価もいただいているところでもございます。しかしながら、地方交付税の総額の積算の内訳を見てみますと、本来的には国税五税で賄うべきところを大幅な一般会計の加算で確保しているということも見えてくるわけでございます。 そこでまず、常態化している地方財政収支の財源不足についてお伺いをしたいと思います。 地方交付税法第六条の三第二項には、普通交付税の総額が引き続き各地方団体について算定した額の合算額と著しく異なることとなった場合においては、地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正又は第六条第一項に定める率の変更を行うものというふうに定められております。 この条文における引き続きというものの解釈については、これまで、昭和二十九年の参議院地方行政委員会における、二年以上ずっと赤字で、それからまた見通される三年以降も赤字だというときであり、著しくというのは、不足額が地方交付税総額の一割程度以上という見解がこれまで踏襲されてきているわけでございますが、まず川端大臣、この見解に変化というか変更というのはございませんでしょうか。
○国務大臣(川端達夫君) 御指摘のように、引き続きとは、地方財政について二年度連続して財源不足が生じ、三年度目以降も生じると見込まれる場合を指すものと。また、著しく異なるとは、財源不足が法定率分として算定した普通交付税総額のおおむね一割程度以上となる場合を指すものと解されております。
○林久美子君 平成八年度以降、十七年連続でこの第六条の三第二項に該当する状態が続いているわけでございます。その結果、地方行政というのは非常に不安定になっておりまして、地方が安心して政策を遂行できるような環境にはまだまだなかなかなっていないということでございます。 こうした地方の財源不足を解消して地方交付税の安定性と予見可能性を高める必要があるというふうに思いますけれども、野田総理の御見解をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) おはようございます。 ただいま林委員からは、交付税の安定性向上と予見可能性の重要性についてのお尋ねがございました。 地方団体がそれぞれの創意工夫を凝らしながら中長期的な観点から計画的に財政運営を行っていくためには、地方税、地方交付税等の地方一般財源総額について安定的でかつ予見性が高いものであることが望ましいと思います。 この観点も踏まえまして、中期財政フレームにおいては、平成二十四年度から平成二十六年度において、交付団体始め地方の一般財源総額については、平成二十三年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保することとしているところでございます。
○林久美子君 総理もしっかりと安定した財源の確保と予見可能性の向上が重要だというふうに御理解をいただいているということかと思いますけれども、平成八年度以降、この国、地方の折半ルールの原則に基づく措置が行われています。これは民主党政権においても同じでございますけれども、しかしこの折半ルールというのはそもそもある意味地方交付税の先食いの世界でございまして、本質的な問題の解決にはいまだつながっていないというふうに考えております。 こうした財政状況厳しい事態がずっと続き、とりわけ民主党政権は地域主権ということを言ってきているわけである以上、本質的な問題の解決を図る必要があるというふうに思っております。すなわち、これはもう折半ルールでつなぐのではなくて、第六条の三第二項に規定されている率の変更、すなわち法定率を変更して引き上げるべきであると考えますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) ただいま参議院で御審議いただいております平成二十四年度の当初予算では法定率の引上げは行っておりませんが、国の財政も極めて厳しい状況の中にありまして、地方に最大限配慮する観点から、別枠加算などにより地方交付税総額を五年連続で増額することとしまして、地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源総額を確保したところでございます。 また、地方交付税の対象税目は、これは長年の地方財政対策の議論の中で現在の五税目となったものでございますが、これらの税目は国税収入の八割を占める基幹税目であり、これらの税目を組み合わせることによって交付税の安定性は確保されているものと考えておりますが、いずれにせよ、今後とも地域に必要なサービスを確実に提供できるよう、法定率やあるいは対象税目の在り方など地方交付税の議論も行いつつ、地域主権戦略大綱に従って地方税財源の充実確保を図っていきたいと考えている次第であります。
○林久美子君 ありがとうございます。 今総理から税目についてのお話もいただきました。国税五税の中を見てみますと、本当にたばこ税とか酒税というのは非常にもう少なくなっていて、安定的に財源を確保していくためには税目を入れ替えたり増やしたり、課税自主権をどうしていくのかということも考えなくてはいけないし、ある意味ではもう税については日本国内見渡すと、ほぼ掛けられるものには掛けてしまっているところもありますので、じゃ一回整理をして、国が何を持って地方が何を持つのかというような抜本的な見直しというのも必要だというふうに考えておりますので、今社会保障と税の一体改革というまさに大きな大きな改革に取り組もうとしている中でもありますので、こうした点についても御検討いただきたいというふうに思います。 ちょっと話は変わりますけれども、今ほど申し上げました今国会の最大のテーマは社会保障と税の一体改革かもしれません。そうした中で、今回は医療、年金、介護という高齢者三経費、人生後半の社会保障のみならず、子ども・子育て新システムを入れて、人生前半の社会保障も充実していこうということになっております。今回の一体改革から新システムについては七千億円が投じられるということでございますけれども、この新システムの大きな柱の一つが幼稚園と保育所の一体化の幼保一体化でございます。 しかしながら、この文科省と厚労省の縦割りの壁を乗り越えて、内閣府でしっかりとこども園給付をやっていこうということになっているわけでございますが、実はこのこども園給付の中の子ども・子育て交付金を見てみますと、公立の幼稚園と保育所は実は残念ながらこの交付金の対象外で、これまでと同様、地方交付税により措置をされるということになっています。しかし、財源を一体化しようと言っている以上、どうかこの公立の保育所と幼稚園の運営費についても子ども・子育て交付金に一体化していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○大臣政務官(園田康博君) 先生、私もこの基本制度ワーキングの制度設計の中で座長を務めさせていただきましたので、前提だけちょっとお話をさせていただきます。 先生御案内のとおり、現行の公立の幼稚園あるいは保育所、これにつきましては、財源が現状、地方交付税によっての措置がされているという形になります。そこで、私どもとしては、こういった御指摘が、御心配がならないようにということで、子ども・子育て会議、これは子ども・子育て会議の地方版という形で、費用の使途制限であるとか実績であるとか、あるいは事業の点検、評価という形で分かりやすくきちっとさせていただきたいというふうに思っておりまして、今の現状の地方主権の考え方等鑑みて、この子育て会議をしっかりと運用していただいて、分かりやすく国民の皆さん、地域の皆さん方にはしていただけるものではないかというふうに考えておるところでございます。
○林久美子君 しっかりと、今年は難しくても将来的には一体化について御検討をお願いいたしたいと思います。 終わります。