KUMIKO HAYASHI OFFICIAL

第189回通常国会 総務委員会 2015年6月18日

第189回通常国会 総務委員会 2015年6月18日
○林久美子君 おはようございます。民主党の林久美子でございます。
本日も非常に不本意ではございますけれども、引き続きNHKの問題、そして無戸籍の問題について、本日は伺わせていただきたいと思います。
冒頭、籾井会長の方から、先日の委員会における発言についての謝罪のお言葉がありました。より真摯に御答弁をいただけるということでございましたので、今日は期待感を持って質問をさせていただきたいと思いますので、是非よろしくお願いを申し上げます。
では、前回に続きまして、行政指導文書受取拒否問題についてお伺いしたいと思います。
高市大臣は、先ほどの答弁を伺っておりましても、非常に真摯に大臣の職責を全うされようとしていらっしゃるというふうに、私は非常に尊敬をいたしております。それを支えるのが、与党、野党、いろいろ立場おありでしょうけれども、我々国会議員はまず、与党、野党の立場を超えて、国民の代表としての仕事をしなくてはいけない。とりわけNHKに関して言えば、受信料を払っていただいている視聴者の皆さんの立場に立って我々は向き合わなくてはいけないのではないかということを、是非これは委員の皆さんに御理解をいただければと思います。
総務省から四月二十八日に、先ほど来お話がありますが、「クローズアップ現代」のやらせ問題に関する対応について厳重注意文書が出されたわけでございます。当日、籾井会長は外出をしておられて、井上理事から二十時に連絡を受け、会長は総務省から行政指導文書が出ることを知ったというふうに、過去この委員会で御答弁をされてこられました。
しかし、私、ちょっとおかしいんじゃないかなと思うわけですね。総務省から籾井会長の秘書室に対して、大臣からこういう文書が出ますよという連絡が当日十八時五十五分に行われているわけです。その電話をした上で、総務省の方がNHKに向かわれています。
これは、籾井会長がおっしゃるとおりだとすれば、秘書室の方は総務省から連絡を受けてもなお籾井会長には連絡をされなかったということなんでしょうか。籾井会長。
○委員長(谷合正明君) それでは、答弁できる方は。今井理事。
○参考人(今井純君) 秘書室としましては、行政指導文書の件で総務省との間で確認に当たっていました井上理事と当時、連絡を取り合っておりました。会長に情報が正確に伝わるためには、対応していた井上理事の方から会長に報告をすることが重要だと考えていたということでございます。
○林久美子君 監査委員会が出された、例のハイヤー問題のときにこういうふうに監査委員会の意見が出ているんですね。「とりわけ協会のトップである会長や会長を支える秘書室等には、高い倫理観と説明責任が求められていることを常に意識して行動すべきである」と。ということを考えると、総務省からそういう文書が出ているのに会長に連絡をしなくて井上理事との間でやり取りをしていたというのは、甚だ私は適切な対応ではなかったというふうに言わざるを得ないと思います。
さらに、当日、会長はNHK本社に二十一時三十分にお戻りになられたということでございました。非常に、総務省から行政指導文書が出るという緊張感ある状況であったにもかかわらず、二十一時三十分に戻ってこられたと。当日は会長、どちらに行っていらっしゃったんでしょうか。
○参考人(籾井勝人君) 当日の私の日程についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思いますが、井上理事らとは電話で連絡を取っておりました。それから、私は二十時に連絡をいただいているんですが、その間は関係理事でいろんな協議をしていたというふうに理解しております。
○林久美子君 しかし、会長、二十時に連絡を受けられて、なお一時間三十分外にいらっしゃったわけです。当日の行動については申し上げないとおっしゃいますけれども、監督官庁である総務省からそういう文書が出るときに、それを差しおいてもなお重要である、戻ってこられないというような何か重要な御予定だったのかと思うわけです。
毎回申し上げていますが、公共放送のトップですから、会長は、NHKさんの収入の九割以上が視聴者の皆さんからの受信料ですから、しっかりとお答えをいただきたいと思います。
○参考人(籾井勝人君) 先ほど申しましたように、私の個人的なというか個別の日程についてはお答えすることは差し控えますが、御承知のとおり、最近は電話もございますし、外出先からは関係役員と、特に井上理事でございますが、と電話で連絡を取っておりました。日程を終えた後、直ちにセンターに戻りました。御記憶と思いますけれども、二十八日は連休の前日で車も随分と混んでおりました。
○林久美子君 会長、誠実に答弁いただけると思っていたんですけれども、道が混んでいたとか、そういうことは理由にならないと思います。
では、伺います。
会長、当日は会長車で行かれたんでしょうか、それともハイヤーで行かれたんでしょうか。
○参考人(籾井勝人君) 会長車でございます。
○林久美子君 会長車であればなおのこと、日頃から会長の運転も含めて慣れていらっしゃるわけですから、しっかりと何かあったときに連絡が取れて、しっかりと会社に戻れるということのために恐らく会長車というのは、それなりのポストの方にみんな付いているわけですよ、車というのが。にもかかわらず、一時間半も帰ってこられないというのは、私は会長としての意識が非常に希薄であると言わざるを得ないと思います。
それから、もう一点、先日、総務省宛てにレターを二通出されたというお話でございました。
一通目のレターは五月一日。籾井会長は、質問が総務省からありまして、それに対して、今回の受取拒否について、誰が決めたのかという話だったというふうに答弁をされましたけれども、一通目のレターには謝罪文は書かれたんでしょうか。
○参考人(籾井勝人君) たしか前回もお答えしたと思いますけれども、五月一日の文書の経緯につきましては、行政指導文書の受取を当初一旦待っていただいた理由などについて総務省から問合せがあり、担当者が口頭で伝えましたところ、文書にしてほしいという求めがあって出したものでございます。もとより、四月二十八日に、我々は当初いろいろ検討もしておりまして時間も掛かりましたけれども、最終的には文書を受け取らせていただいたわけで、同時に、そのとき総務省の職員も外でずっと待たされたということでありまして、そういうことについては、我々は本当にそのときから申し訳ないというふうに思っておりました。
たしか五月一日の文書の中でも、大臣の文書を重く受け止め、受領いたしましたということも書いた記憶がございます。そういう意味におきまして、五月一日の文書にはおわびという言葉は書いていないんですが、気持ちとしましては、もう二十八日に既に文書を受け取っております、その時点から、我々はやはり時間が掛かり過ぎたとか、それから職員を待たせたとか、そういうことについては誠に申し訳なく思っているわけでございます。
五月十八日の文書につきましては、これはもう改めまして、行政指導文書の受取についていろいろ不手際がございましたので、それについて総務省、また同時に総務省の担当者に礼を失したという、こういう対応について私から総務大臣におわびしたものでございます。
もう一度繰り返しますが、五月一日の文書につきましては、そのとき、中にはおわびしますという言葉は書いておりませんが、大臣の文書を重く受け止めということも書いておりますし、受け取った時点から我々のそういう反省は続いているわけでございます。
○林久美子君 会長、そうであれば、一通目で、おわび申し上げるという文言はなかったけれども、謝罪の意は表したということですよね。であれば、わざわざ二通目を出す必要はなかったんじゃないですか。
○参考人(籾井勝人君) やはり指導文書という公式文書でございますので、我々も公式にお答えしたわけでございます。
○林久美子君 じゃ、一通目のは、前回もおっしゃいましたが、公式の文書ではないと。でも、フォーマットは、非常に乱れておりますけれども、公式の、いわゆる普通の体裁をもって書かれた文書ではありますよ。二通目がまさに公式であるというのは、私は筋が通らないと思う。
はっきり申し上げて、この間に、一日と二通目の十八日の間に一体何があったかというと、この問題が世の中に出たんですよ。ここの委員会でもやった、うちの民主党の部門会議でもやった、週刊誌にも書かれた。総務省も非常に気分を害しているということで、二通目、ようやく、ああ、これは謝罪をしないとまずいと思ってレターを出されたのではないかというふうにしか思えないということを私は申し上げたいと思います。
そして、浜田委員長、前回のこの委員会において、私はやっぱり経営委員会がもっとしっかりしなきゃいけないということを申し上げました。あるいは、もうきちっと放送法を見直すということも考えなきゃいけないんじゃないかと申し上げました。そうすると大臣は、経営委員会がしっかりと監督をしていただくということでガバナンスが確保できると御答弁をされて、期待と信頼を寄せていらっしゃるわけです。にもかかわらず、しっかり今のところ応え切れているような感じがしないと。さらに、前回の経営委員会では監査委員の方もお一人お辞めになられている。
こういうことを考えたときに、これしっかりともう一回、唯一会長の監督権限を持っている経営委員会として対応いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○参考人(浜田健一郎君) 先日の大臣の御発言については、私ども経営委員会に対して、放送法の定めるところにより、NHKの最高意思決定機関として執行部に対する監視、監督の務めを引き続き果たすことを改めて強く求められたものと理解をしております。
また、経営委員会に対しては、参議院総務委員会の附帯決議で、「協会の経営に関する最高意思決定機関として重い職責を担っていることを再確認し、役員の職務執行に対する実効ある監督を行うことなどにより、国民・視聴者の負託に応えること。」という厳しい御指摘もいただいております。
私どもといたしましては、御指摘を重く受け止め、この場でいただく様々な意見にも真摯に対応しながら職務を果たしてまいりたいというふうに思っています。
○林久美子君 議事録などを読ませていただきますと、浜田経営委員長もそれなりの責任感を持って厳しいこともおっしゃっているような場面も見受けられます。
しかしながら、現実問題として、現場の記者さんも含めて頑張っていますよ、NHKの皆さんは。視聴者の期待も大きいですよ。唯一の公共放送ですよ。それなのにいろんな、会長の在り方含めて疑義が生じる状況にあるということで、まさに国民の財産としてのNHKが私は揺らいでいると思う。だからこそ、しっかりしていただきたいということをお願いしているわけでございます。
いつも浜田委員長なりの御答弁はいただくわけですけれども、いま一つ具体性が見えてこないということも含めて、今後しっかりと対応いただきたいとお願いをさせていただきたいと思います。
では、変わりまして無戸籍の問題について伺いたいと思います。
以前もこの委員会でやらせていただきましたが、主に民法七百七十二条の嫡出推定の関係で、戸籍がない人が日本にはいると。この法治国家日本において法律上存在しないことになっている人たちがいると。五月十日現在、最新の数字でいうと、分かっているだけで六百十四人。六百十四人です。しかし、残念ながら、情報を持っている市区町村は全体のまだ一八%、二割を切るわけです。二割を切っている自治体からの回答で六百十四人ということですから、しっかりと把握をすれば、きっとこの数字はもっと跳ね上がるんじゃないかというふうにも思うわけです。
昨年、私が大臣に対して、今申し上げましたように把握していない自治体が非常に多いので、これを何とかしていただきたいと御質問をさせていただいたところ、すぐに事務連絡を発出いただきました。ありがとうございました。
しかし、それはそれとして、今度はまたいろんな問題があって、自治体によってすごく差があるんですね。今は戸籍がなくても、だから、イコール住民票がなくても、そこに居住実態が確認をされれば例えば健康保険証とか年金の手続はできるんですけれども、無戸籍の方が窓口に行くと、それを知らない方が非常に多いと。知っているところはやってくれるんですけど、知らないところはできないと。できないんですとはねつけるわけですね。本当に、ただでさえ非常にいろんな意味で不利益を被っている皆さんが、窓口で唯一そこを頼りに来られるのにはねつけられてしまう。
こういう実態があるということを、まず大臣御自身御存じでいらっしゃるかどうか、お聞かせください。
○国務大臣(高市早苗君) つぶさには私は承知をいたしておりません。
ただ、仮に具体的に委員がおっしゃるような事例があるといたしましたら、現に戸籍や住民票がなくても提供を受けることができる行政サービスが多くございますので、これはやはり各地方公共団体で関連法令に基づいて適切に実施されるべきですし、もしもその理解が地方公共団体側で不十分な点があるとしましたら、その当該行政サービスのまずは所管官庁が地方公共団体に対して周知徹底を図られること、また地方公共団体において改善を行っていくということは大変重要だと考えます。
○林久美子君 今、当該担当省庁というお話がございましたけれども、これ例えば年金とか健康保険証だったら厚生労働省、学校だったら文科省とかいった、やっぱり行政の縦割りの中で地方自治体も成り立っているわけですけれども、でも、それを含めて横串を刺して管轄をしているのがある意味では私は総務省なんだと思うんですね。地方自治を担っているのが総務省であるというふうに思っています。
実際に幾つも事例があって、今、現状どうなっているかというと、もう手弁当で、ボランティアのような方たちがそういう相談を受けて、実際に窓口に掛け合って対応いただいているわけでもあります。
そういうことを踏まえて考えますと、前回、事務連絡という文書を出していただきましたが、やっぱり地方自治体の職員の方にしっかりとした意識を持っていただくようなお取組を横串を刺すという意味で総務省にしっかりと果たしていただきたいということが一点と、あと、これは大臣、残念ながら、この霞が関の総務省の中そのものもまだまだこの無戸籍の問題について理解が十分でない点も見受けられております。
是非、大臣のリーダーシップを発揮いただいて御対応をお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(高市早苗君) 二十六年の十一月十三日の総務委員会でたしか林委員から御質問いただきまして、このときは法務省による無戸籍に関する調査について総務省として必要な助言を行うということを答弁しまして、その委員の御質問から五日後の十一月十八日付けで法務省と連名で地方公共団体に事務連絡を発出しました。
結果的には、事務連絡を発出して全ての市区町村から情報を提供していただいたところなんですが、実際にその行政の窓口で対応が不十分であるということでの御指摘でございますので、総務省としましても、住民基本台帳が市区町村の行う住民に関する事務処理の基礎となっているということの関連で、戸籍や住民票がなくても受けられる行政サービスにつきましても地方公共団体に情報提供を改めてするなど、これも関係する省庁と当然調整をしながらですけれども、そういった対応を考えてまいりたいと思います。
○林久美子君 本当に、非常に常に前向きな対応をいただいて、ありがとうございます。
この国に暮らしている人たちがやっぱり少しでも安心して暮らしていける環境を後押ししていく、その最先端に立つのが私は総務省の皆さんだと思いますので、関係する省庁とも御調整をいただきながら御対応いただければと思います。
それでは、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○林久美子君 おはようございます。民主党の林久美子でございます。 本日も非常に不本意ではございますけれども、引き続きNHKの問題、そして無戸籍の問題について、本日は伺わせていただきたいと思います。 冒頭、籾井会長の方から、先日の委員会における発言についての謝罪のお言葉がありました。より真摯に御答弁をいただけるということでございましたので、今日は期待感を持って質問をさせていただきたいと思いますので、是非よろしくお願いを申し上げます。 では、前回に続きまして、行政指導文書受取拒否問題についてお伺いしたいと思います。 高市大臣は、先ほどの答弁を伺っておりましても、非常に真摯に大臣の職責を全うされようとしていらっしゃるというふうに、私は非常に尊敬をいたしております。それを支えるのが、与党、野党、いろいろ立場おありでしょうけれども、我々国会議員はまず、与党、野党の立場を超えて、国民の代表としての仕事をしなくてはいけない。とりわけNHKに関して言えば、受信料を払っていただいている視聴者の皆さんの立場に立って我々は向き合わなくてはいけないのではないかということを、是非これは委員の皆さんに御理解をいただければと思います。 総務省から四月二十八日に、先ほど来お話がありますが、「クローズアップ現代」のやらせ問題に関する対応について厳重注意文書が出されたわけでございます。当日、籾井会長は外出をしておられて、井上理事から二十時に連絡を受け、会長は総務省から行政指導文書が出ることを知ったというふうに、過去この委員会で御答弁をされてこられました。 しかし、私、ちょっとおかしいんじゃないかなと思うわけですね。総務省から籾井会長の秘書室に対して、大臣からこういう文書が出ますよという連絡が当日十八時五十五分に行われているわけです。その電話をした上で、総務省の方がNHKに向かわれています。 これは、籾井会長がおっしゃるとおりだとすれば、秘書室の方は総務省から連絡を受けてもなお籾井会長には連絡をされなかったということなんでしょうか。籾井会長。
○委員長(谷合正明君) それでは、答弁できる方は。今井理事。
○参考人(今井純君) 秘書室としましては、行政指導文書の件で総務省との間で確認に当たっていました井上理事と当時、連絡を取り合っておりました。会長に情報が正確に伝わるためには、対応していた井上理事の方から会長に報告をすることが重要だと考えていたということでございます。
○林久美子君 監査委員会が出された、例のハイヤー問題のときにこういうふうに監査委員会の意見が出ているんですね。「とりわけ協会のトップである会長や会長を支える秘書室等には、高い倫理観と説明責任が求められていることを常に意識して行動すべきである」と。ということを考えると、総務省からそういう文書が出ているのに会長に連絡をしなくて井上理事との間でやり取りをしていたというのは、甚だ私は適切な対応ではなかったというふうに言わざるを得ないと思います。 さらに、当日、会長はNHK本社に二十一時三十分にお戻りになられたということでございました。非常に、総務省から行政指導文書が出るという緊張感ある状況であったにもかかわらず、二十一時三十分に戻ってこられたと。当日は会長、どちらに行っていらっしゃったんでしょうか。
○参考人(籾井勝人君) 当日の私の日程についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思いますが、井上理事らとは電話で連絡を取っておりました。それから、私は二十時に連絡をいただいているんですが、その間は関係理事でいろんな協議をしていたというふうに理解しております。
○林久美子君 しかし、会長、二十時に連絡を受けられて、なお一時間三十分外にいらっしゃったわけです。当日の行動については申し上げないとおっしゃいますけれども、監督官庁である総務省からそういう文書が出るときに、それを差しおいてもなお重要である、戻ってこられないというような何か重要な御予定だったのかと思うわけです。 毎回申し上げていますが、公共放送のトップですから、会長は、NHKさんの収入の九割以上が視聴者の皆さんからの受信料ですから、しっかりとお答えをいただきたいと思います。
○参考人(籾井勝人君) 先ほど申しましたように、私の個人的なというか個別の日程についてはお答えすることは差し控えますが、御承知のとおり、最近は電話もございますし、外出先からは関係役員と、特に井上理事でございますが、と電話で連絡を取っておりました。日程を終えた後、直ちにセンターに戻りました。御記憶と思いますけれども、二十八日は連休の前日で車も随分と混んでおりました。
○林久美子君 会長、誠実に答弁いただけると思っていたんですけれども、道が混んでいたとか、そういうことは理由にならないと思います。 では、伺います。 会長、当日は会長車で行かれたんでしょうか、それともハイヤーで行かれたんでしょうか。
○参考人(籾井勝人君) 会長車でございます。
○林久美子君 会長車であればなおのこと、日頃から会長の運転も含めて慣れていらっしゃるわけですから、しっかりと何かあったときに連絡が取れて、しっかりと会社に戻れるということのために恐らく会長車というのは、それなりのポストの方にみんな付いているわけですよ、車というのが。にもかかわらず、一時間半も帰ってこられないというのは、私は会長としての意識が非常に希薄であると言わざるを得ないと思います。 それから、もう一点、先日、総務省宛てにレターを二通出されたというお話でございました。 一通目のレターは五月一日。籾井会長は、質問が総務省からありまして、それに対して、今回の受取拒否について、誰が決めたのかという話だったというふうに答弁をされましたけれども、一通目のレターには謝罪文は書かれたんでしょうか。
○参考人(籾井勝人君) たしか前回もお答えしたと思いますけれども、五月一日の文書の経緯につきましては、行政指導文書の受取を当初一旦待っていただいた理由などについて総務省から問合せがあり、担当者が口頭で伝えましたところ、文書にしてほしいという求めがあって出したものでございます。もとより、四月二十八日に、我々は当初いろいろ検討もしておりまして時間も掛かりましたけれども、最終的には文書を受け取らせていただいたわけで、同時に、そのとき総務省の職員も外でずっと待たされたということでありまして、そういうことについては、我々は本当にそのときから申し訳ないというふうに思っておりました。 たしか五月一日の文書の中でも、大臣の文書を重く受け止め、受領いたしましたということも書いた記憶がございます。そういう意味におきまして、五月一日の文書にはおわびという言葉は書いていないんですが、気持ちとしましては、もう二十八日に既に文書を受け取っております、その時点から、我々はやはり時間が掛かり過ぎたとか、それから職員を待たせたとか、そういうことについては誠に申し訳なく思っているわけでございます。 五月十八日の文書につきましては、これはもう改めまして、行政指導文書の受取についていろいろ不手際がございましたので、それについて総務省、また同時に総務省の担当者に礼を失したという、こういう対応について私から総務大臣におわびしたものでございます。 もう一度繰り返しますが、五月一日の文書につきましては、そのとき、中にはおわびしますという言葉は書いておりませんが、大臣の文書を重く受け止めということも書いておりますし、受け取った時点から我々のそういう反省は続いているわけでございます。
○林久美子君 会長、そうであれば、一通目で、おわび申し上げるという文言はなかったけれども、謝罪の意は表したということですよね。であれば、わざわざ二通目を出す必要はなかったんじゃないですか。
○参考人(籾井勝人君) やはり指導文書という公式文書でございますので、我々も公式にお答えしたわけでございます。
○林久美子君 じゃ、一通目のは、前回もおっしゃいましたが、公式の文書ではないと。でも、フォーマットは、非常に乱れておりますけれども、公式の、いわゆる普通の体裁をもって書かれた文書ではありますよ。二通目がまさに公式であるというのは、私は筋が通らないと思う。 はっきり申し上げて、この間に、一日と二通目の十八日の間に一体何があったかというと、この問題が世の中に出たんですよ。ここの委員会でもやった、うちの民主党の部門会議でもやった、週刊誌にも書かれた。総務省も非常に気分を害しているということで、二通目、ようやく、ああ、これは謝罪をしないとまずいと思ってレターを出されたのではないかというふうにしか思えないということを私は申し上げたいと思います。 そして、浜田委員長、前回のこの委員会において、私はやっぱり経営委員会がもっとしっかりしなきゃいけないということを申し上げました。あるいは、もうきちっと放送法を見直すということも考えなきゃいけないんじゃないかと申し上げました。そうすると大臣は、経営委員会がしっかりと監督をしていただくということでガバナンスが確保できると御答弁をされて、期待と信頼を寄せていらっしゃるわけです。にもかかわらず、しっかり今のところ応え切れているような感じがしないと。さらに、前回の経営委員会では監査委員の方もお一人お辞めになられている。 こういうことを考えたときに、これしっかりともう一回、唯一会長の監督権限を持っている経営委員会として対応いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○参考人(浜田健一郎君) 先日の大臣の御発言については、私ども経営委員会に対して、放送法の定めるところにより、NHKの最高意思決定機関として執行部に対する監視、監督の務めを引き続き果たすことを改めて強く求められたものと理解をしております。 また、経営委員会に対しては、参議院総務委員会の附帯決議で、「協会の経営に関する最高意思決定機関として重い職責を担っていることを再確認し、役員の職務執行に対する実効ある監督を行うことなどにより、国民・視聴者の負託に応えること。」という厳しい御指摘もいただいております。 私どもといたしましては、御指摘を重く受け止め、この場でいただく様々な意見にも真摯に対応しながら職務を果たしてまいりたいというふうに思っています。
○林久美子君 議事録などを読ませていただきますと、浜田経営委員長もそれなりの責任感を持って厳しいこともおっしゃっているような場面も見受けられます。 しかしながら、現実問題として、現場の記者さんも含めて頑張っていますよ、NHKの皆さんは。視聴者の期待も大きいですよ。唯一の公共放送ですよ。それなのにいろんな、会長の在り方含めて疑義が生じる状況にあるということで、まさに国民の財産としてのNHKが私は揺らいでいると思う。だからこそ、しっかりしていただきたいということをお願いしているわけでございます。 いつも浜田委員長なりの御答弁はいただくわけですけれども、いま一つ具体性が見えてこないということも含めて、今後しっかりと対応いただきたいとお願いをさせていただきたいと思います。 では、変わりまして無戸籍の問題について伺いたいと思います。 以前もこの委員会でやらせていただきましたが、主に民法七百七十二条の嫡出推定の関係で、戸籍がない人が日本にはいると。この法治国家日本において法律上存在しないことになっている人たちがいると。五月十日現在、最新の数字でいうと、分かっているだけで六百十四人。六百十四人です。しかし、残念ながら、情報を持っている市区町村は全体のまだ一八%、二割を切るわけです。二割を切っている自治体からの回答で六百十四人ということですから、しっかりと把握をすれば、きっとこの数字はもっと跳ね上がるんじゃないかというふうにも思うわけです。 昨年、私が大臣に対して、今申し上げましたように把握していない自治体が非常に多いので、これを何とかしていただきたいと御質問をさせていただいたところ、すぐに事務連絡を発出いただきました。ありがとうございました。 しかし、それはそれとして、今度はまたいろんな問題があって、自治体によってすごく差があるんですね。今は戸籍がなくても、だから、イコール住民票がなくても、そこに居住実態が確認をされれば例えば健康保険証とか年金の手続はできるんですけれども、無戸籍の方が窓口に行くと、それを知らない方が非常に多いと。知っているところはやってくれるんですけど、知らないところはできないと。できないんですとはねつけるわけですね。本当に、ただでさえ非常にいろんな意味で不利益を被っている皆さんが、窓口で唯一そこを頼りに来られるのにはねつけられてしまう。 こういう実態があるということを、まず大臣御自身御存じでいらっしゃるかどうか、お聞かせください。
○国務大臣(高市早苗君) つぶさには私は承知をいたしておりません。 ただ、仮に具体的に委員がおっしゃるような事例があるといたしましたら、現に戸籍や住民票がなくても提供を受けることができる行政サービスが多くございますので、これはやはり各地方公共団体で関連法令に基づいて適切に実施されるべきですし、もしもその理解が地方公共団体側で不十分な点があるとしましたら、その当該行政サービスのまずは所管官庁が地方公共団体に対して周知徹底を図られること、また地方公共団体において改善を行っていくということは大変重要だと考えます。
○林久美子君 今、当該担当省庁というお話がございましたけれども、これ例えば年金とか健康保険証だったら厚生労働省、学校だったら文科省とかいった、やっぱり行政の縦割りの中で地方自治体も成り立っているわけですけれども、でも、それを含めて横串を刺して管轄をしているのがある意味では私は総務省なんだと思うんですね。地方自治を担っているのが総務省であるというふうに思っています。 実際に幾つも事例があって、今、現状どうなっているかというと、もう手弁当で、ボランティアのような方たちがそういう相談を受けて、実際に窓口に掛け合って対応いただいているわけでもあります。 そういうことを踏まえて考えますと、前回、事務連絡という文書を出していただきましたが、やっぱり地方自治体の職員の方にしっかりとした意識を持っていただくようなお取組を横串を刺すという意味で総務省にしっかりと果たしていただきたいということが一点と、あと、これは大臣、残念ながら、この霞が関の総務省の中そのものもまだまだこの無戸籍の問題について理解が十分でない点も見受けられております。 是非、大臣のリーダーシップを発揮いただいて御対応をお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(高市早苗君) 二十六年の十一月十三日の総務委員会でたしか林委員から御質問いただきまして、このときは法務省による無戸籍に関する調査について総務省として必要な助言を行うということを答弁しまして、その委員の御質問から五日後の十一月十八日付けで法務省と連名で地方公共団体に事務連絡を発出しました。 結果的には、事務連絡を発出して全ての市区町村から情報を提供していただいたところなんですが、実際にその行政の窓口で対応が不十分であるということでの御指摘でございますので、総務省としましても、住民基本台帳が市区町村の行う住民に関する事務処理の基礎となっているということの関連で、戸籍や住民票がなくても受けられる行政サービスにつきましても地方公共団体に情報提供を改めてするなど、これも関係する省庁と当然調整をしながらですけれども、そういった対応を考えてまいりたいと思います。
○林久美子君 本当に、非常に常に前向きな対応をいただいて、ありがとうございます。 この国に暮らしている人たちがやっぱり少しでも安心して暮らしていける環境を後押ししていく、その最先端に立つのが私は総務省の皆さんだと思いますので、関係する省庁とも御調整をいただきながら御対応いただければと思います。 それでは、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。