KUMIKO HAYASHI OFFICIAL

第189回通常国会 総務委員会 2015年5月26日

第189回通常国会 総務委員会 2015年5月26日
○林久美子君 民主党の林久美子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
今年に入ってから、もう籾井会長にお目にかかるのは一体何度目だろうかと思うぐらいに当委員会にお越しをいただいているわけでございます。会長の一連の、就任会見に始まって、ハイヤー代金の立替え問題とか、先日は総務省からの行政指導文書を受取を拒否したとも取れる問題、さらには先日の、後ほど伺いますが、経営委員会での会長の御発言等々、枚挙にいとまがないくらいに籾井会長の立ち居振る舞いが大きな問題になっていると思います。
私は、かねてから申し上げておりますが、NHKさんというのは国民の受信料によって成り立っている公共放送であるということでございまして、本日も一視聴者として、視聴者を代表する気持ちで籾井会長及び皆様方にお話を伺ってまいりたいと思います。
それでは、早速、先月二十八日に行われました経営委員会に関して、確認をまずはさせていただきます。
この経営委員会の場で、ハイヤー代金の立替え問題を含めた一連の会長の言動、あるいは予算が二年連続で全会一致を得られなかったことなどから、経営委員会の浜田委員長から会長に対して厳重注意が行われました。議事録を読んでいると、この厳重注意に対して籾井会長は、「私が厳重注意を受けるいわれはないと思います。」と発言をしていらっしゃいます。これは間違いないですか。
○参考人(籾井勝人君) まず、これは質問として申し上げたということは御承知おきいただきたいと思います。そういう意味において、私はその中でこういうことは申しました。
○林久美子君 質問というのは意味がよく分からないのですが、議事録によると、「私が厳重注意を受けるいわれはないと思います。」と断定的に述べていらっしゃいます。後に浜田委員長から、「それは、ああいう事態に至ったことの結果責任です。」と御指摘がなされまして、それに対して籾井会長は、「あれはNHKを傷つけたとは思っていません。」とお話をしていらっしゃいます。この「あれ」というのは一体何を指していらっしゃるのでしょうか。
○参考人(籾井勝人君) 御党との部門会のことでございます。
○林久美子君 あの激しいやり取りがあった部門会議を指しておっしゃったと。そのときの籾井会長の立ち居振る舞いがNHKを傷つけたとは思っていらっしゃらないということで、これはよろしいですか。
○参考人(籾井勝人君) はい、そのとおりで結構でございます。民主党の部門会議では私の発言などをめぐって議論が紛糾したと、こういうことでございます、これはテレビを見れば分かることでございますが。
私はあの日、NHKの新しい三か年経営計画を説明しに来いと、こういう趣旨で私は参ったつもりでございますが、委員も多分出席されていたんではないかと思いますが、あのとき、のっけから去年の話になりましたので、話が違うんじゃないかということで私もいろんな議論をさせていただきました。
翌日か翌々日の衆議院の予算委員会で、その中の一人の議員から、言葉遣いがまずかったという、こういうふうなことをおっしゃいました。それで私も、非常に私としても申し訳ないということでこの件は終わっているということで、私はそういう意味でNHKを傷つけていないと申し上げたわけでございます。
○林久美子君 もうそこは会長と決定的に私は見解が違うということは申し上げておきたいと思います。
公共放送のトップとしての立ち居振る舞いというのは、やはり非常に重要であると思います。多くの視聴者が公共放送であるNHKのトップとして籾井会長を見ていらっしゃるわけですから。しかも、経営計画について説明に来いと言われたから行ったということでございましたけれども、それに絡んで、当然、全体の会長のことも含めていろんな議論がなされるということについて、私は何らおかしなことではないというふうに思っております。
ただ、そもそも私は、NHKというのは、NHKがあって経営委員会があって総務省があって、それぞれにしっかりと存在する中でパワーバランスが保たれながら、多くの国民の期待に応えるNHKとして存在しているのではないかというふうに思っておりました。がしかし、会長のこの経営委員会において厳重注意受けるいわれはないという御発言含めて、私は、どうも会長は、経営委員会と会長の関係というのを、NHKとの関係というのをきちっと理解していらっしゃらないのではないかと思うわけでございます。あれほど放送法にのっとってと常日頃御答弁なさいますけれども、本当の意味で理解いただいているのかなと思います。
そこで、会長にお伺いしたいのですが、経営委員会というのはNHKにとってどのような存在、位置付けでしょうか。
○参考人(籾井勝人君) 経営委員会はNHKの最高意思決定機関でございます。同時に、NHKの業務が適正に執行されるよう我々執行部の職務執行を監督するという役割を担うものと認識しております。
○林久美子君 浜田委員長、いかがですか。
○参考人(浜田健一郎君) 経営委員会は、放送法上、NHKの最高意思決定機関であるとともに、会長以下執行部の職務執行の監視・監督機関でもあり、重い責任を持っているというふうに認識をしております。
○林久美子君 そういうことでいえば、執行部の職務がきちっと行われているかどうかを監視、監督する機関でもありますから、それが適切ではないということであれば、当然、先日のように厳重注意ということになるわけでございます。
籾井会長、放送法五十一条、お分かりでしょうか。
○参考人(籾井勝人君) 「会長は、協会を代表し、経営委員会の定めるところに従い、その業務を総理する。」と、こうなっております。
○林久美子君 御答弁のとおりです。
経営委員会の定めるところに従って、その上で、会長、聞いていただいていますか、上を御覧いただいていますけれども、きちっとこちらを御覧ください。その上で会長は協会の業務を総理すると定められているわけです。これは法律で定められている。さらに、NHK業務の決定権は経営委員会にありますし、NHKの予算も経営委員会の議決を経て国会で承認をされるものでございます。まさに経営委員会というのは最高意思決定機関でございます。
さらに、放送法第三十九条には、経営委員会の運営として、「会長は、経営委員会の要求があつたときは、経営委員会に出席し、経営委員会が求めた事項について説明をしなければならない。」と定められています。
就任以降、経営委員会で様々な御発言を会長はなさっていますけれども、会長が好き勝手に経営委員会の場で言いたいことを言ってもいいと、そういう位置付けにはなっていないんですよ。会長、いかがですか。
○参考人(籾井勝人君) 御参考までに、放送法第四十条三項、「会長は、経営委員会に出席し、意見を述べることができる。」と、こうありますので、私は、経営委員会に出席できる、そこで意見を述べることができると承知いたしております。
○林久美子君 意見を述べられることは認められていると。しかしながら、最高意思決定機関の経営委員会が総意として会長に対して厳重注意を行ったことに対して、厳重注意を受けるいわれはないということを会長おっしゃるわけですよ。
浜田委員長、経営委員会の場で会長がこうした発言をされるということをどのようにお考えでしょうか。
○参考人(浜田健一郎君) 四月二十八日の委員会では、いろいろやり取りはございましたが、結果として会長は経営委員会の総意である注意を受け入れられたというふうに理解をしております。また、会長には、その日の経営委員会で決定した委員長見解にありますように、公共放送のトップとしての責任を再確認し、様々な意見に対してもこれまで以上に誠意を持って対処するよう努めるべきであると申し上げております。
このようなことを含め、今後も経営委員会として責務を果たしていきたいというふうに思っております。
○林久美子君 会長、今、浜田委員長がお話しになったように、厳重注意をしっかりと受け止めたということで、お受けになったということでよろしいんですね。
○参考人(籾井勝人君) まず、ちょっとその前に、私は経営委員会に出席したときは当然意見を述べるわけです。あの厳重注意の中身について、どうしてでしょうかという、こういうことを聞きました。それで、委員長から最後に、これは委員会の総意であると、こう言われたわけです。それについては私は是非もないんですよ。そのままお受けしました。
○林久美子君 会長、議事録をたどると、厳重注意をされて、受けて、それについてどういうことですかと会長が聞かれて、経営委員長の方から、部門会議での話やハイヤーの問題での話ですと言われて、その後に籾井会長は、厳重注意を受けるいわれはないと思いますとおっしゃっているわけです。そういうことはしっかりと受け止めていただきたいと思いますよ。
更に驚くべきことに、この経営委員会の場において、ハイヤー問題については、「ハイヤーの問題は、なにが問題なのですか。」と、会長、御発言されていますよね。今でも、このハイヤー代の立替え問題について問題はなかったと思っていらっしゃるんでしょうか。
○参考人(籾井勝人君) 私は、ハイヤー問題については、公私混同だと言われて、そういうふうな疑念がどこから出てくるか分かりませんけれども、そういう疑念が出てきたことに対しては私は大変反省もしておりますし、申し訳ないと思っております。これは何度も説明しておりますが、十二月二十六日に、私は車を頼むときに、公用車じゃなくてハイヤーを頼んでいるんでございます。これが私が私で使うということの何よりの証拠でございます。これは御理解いただきたいと思います。
それから、ハイヤー代の問題については、これは確かに、私が途中で請求書はどうなったということを聞かなかったことは、これは非常に私としては事務的には問題があるというふうに思っていますが、これはあくまでもやはり事務処理上の問題でございます。いいですか、これはハイヤーの伝票の事務処理上の問題でございます。これについて私はなぜ厳重注意を受けなきゃいかぬのかという質問をしたわけでございます。それについて、これは委員の総意であるということであったので、是非もなく私はお受けいたしたわけでございます。
○林久美子君 言葉を失いそうになるのですが。
しかも、籾井会長はこのハイヤーの問題について、会長がハイヤーの請求書が来たかどうかなど民間では確認しないと思いますとおっしゃっています。NHKは民間会社でしょうか。
○参考人(籾井勝人君) 民間ではと言ったのは、私は民間の経験しかありませんからそう申し上げたわけで、何も民間に限らず、NHKの会長が、私が私用で使った伝票がどうなったなんて一々聞かないですよ。それはそういう時間がないですよ、そういう時間。それぐらい実務的に分かってくださいよ。私は何も受信料を軽率に見ている、軽く見ているわけじゃないですよ。しかし、NHKの仕事を御存じですか。(発言する者あり)
○委員長(谷合正明君) 御静粛にお願いします。
○林久美子君 浜田委員長、ハイヤー問題について経営委員会としてまとめられたわけですけれども、今の会長の御答弁を伺っていますと、今もって会長が、たしか報告書にはきちっとそういうことについても意識を向けなくてはならないというような記述もあったかと思いますけれども、今の会長の御答弁は全く違うお話だったかと思います。
浜田委員長、いかがでしょうか。うなずいていらっしゃいますけど、会長が。
○参考人(浜田健一郎君) 経営委員会では、監査委員会の報告に基づき、会長に注意をいたしました。その見解に変化はございません。
○林久美子君 先ほど籾井会長は、厳重注意はもう受けるも受けないもないんだと、経営委員会の総意として出てきたものなんだからそうなんだと先ほどおっしゃいましたけれども、その中身についてはですよ、その中身については今もって、ハイヤー代の請求書を会長が確認するなんて民間であろうとNHKであろうとおかしいんだとおっしゃったということは、私は厳重注意をしっかりと受け止めていらっしゃるというふうには思えません。
経営委員長、会長を任命するのは経営委員会ですし、同時に罷免する権限があるのも経営委員会です。先ほど私申し上げました、総務省と経営委員会とNHKとしっかりとその三者がスクラム組んで国民の公共放送への期待にしっかりと応え得る体制をつくっていかなくてはならないと。にもかかわらず、今もってこの状況です。
私は、会長笑っていらっしゃいますけれども、笑っていらっしゃいますけれども、このゆゆしき事態は、本当にこれは経営委員会としてその存在が問われるんじゃないかと思います。経営委員会としての判断を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
○参考人(浜田健一郎君) 経営委員会といたしましては、これまで放送法の定めに従って監視、監督の役割を果たしてまいったと考えております。しかしながら、NHK予算の全会一致の御承認を実現できなかったことや、参議院総務委員会の附帯決議を始め経営委員会に対して様々な御指摘をいただいていることはしっかりと受け止めなければならないというふうに考えております。
今後も、経営委員会による真摯な議論を行い、合意形成に努め、放送法にのっとり、NHKが公共放送の使命を果たしていけるよう努力してまいりたいというふうに思っております。
○林久美子君 経営委員会が監視、監督の役割はあるということでございましたけれども、結局、厳重注意をしても、監視しても、監督しても変わらないとしたら、変わらないとしたら、そこから先踏み込んで対応するしかないんだと思いますよ。そういうことも含めて経営委員会の存在価値が問われている、視聴者の皆さんの思いに応えられるNHKであれるかどうか問われているんだと思います。
そして、もう時間がなくなってまいりましたから詳細にはできませんが、先日の四月二十八日の総務省からの指導文書の受取拒否問題ですよ。
総務省の方が三時間もNHKに行って待たされる、会ってももらえない。籾井会長は連絡を取りながら対応をしていたとおっしゃるけど、九時半までNHKまで帰ってこない、何をしていたかは言わないという。監督官庁である総務省からの指導文書に勝る重要な案件があって九時半まで戻れなかったというのであれば、私は、堂々と会長、それを述べられるべきだと思います。
そして、総務省から出されたこの文書、拝見をいたしました。大臣が何度も何度も報告書を読まれて、誠意を尽くしてきちっと直接手渡そうとして作られた文書ですよ。非常に真っ当なことを述べていらっしゃる。監督官庁として、NHKさんしっかりとやってよねと具体的なことも含めて記述をしていらっしゃる。これに対して、余りにもひどい。ひどいですよ、会長、ひどいと思っていらっしゃらないんですか。経営委員会に対しても、監督官庁である総務省に対しても余りにも私は不遜だと思います。それでは国民の信頼を得られるNHKになれないし、現場で頑張っている皆さんがかわいそうですよ。視聴者の皆さんと直接接している職員の皆さんの立場になったことがおありでしょうか。
もう時間がありませんので、最後に高市大臣にお伺いをしたいと思います。
私は、今の状況は非常に厳しいと思います。大臣の思いもなかなかこの間伝わってこなかったのではないかと思います。そういう中であっても監督官庁として総務省は頑張らなきゃいけない、そういうことも含めて大臣の所見をお伺いできればと思います。
○国務大臣(高市早苗君) 今、会長の御答弁も伺いました。伝票確認など会長の仕事は大変忙しいので一々やっていられないというお話もありました。総務大臣の仕事よりもはるかにお忙しいとお見受けいたしました。
私自身は、もしも、議員会館の靴屋さんで靴を買っていますので、ヒールの修理に出したときに、靴屋さんが届けてくださって数百円でも千円ほどでも立替えを事務所の秘書がしたというと、もうその日のうちに必ず領収書を持ってきてくれということで支払っております。
いずれにしましても、国民・視聴者から御負担いただく受信料により運営される公共放送としての認識をしっかりお持ちいただき、特に経営委員会から厳重注意を受けられたことについては真摯に御反省をいただき、国民・視聴者の信頼を取り戻していただきたいと思っております。
○林久美子君 終わります。ありがとうございました。

○林久美子君 民主党の林久美子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 今年に入ってから、もう籾井会長にお目にかかるのは一体何度目だろうかと思うぐらいに当委員会にお越しをいただいているわけでございます。会長の一連の、就任会見に始まって、ハイヤー代金の立替え問題とか、先日は総務省からの行政指導文書を受取を拒否したとも取れる問題、さらには先日の、後ほど伺いますが、経営委員会での会長の御発言等々、枚挙にいとまがないくらいに籾井会長の立ち居振る舞いが大きな問題になっていると思います。 私は、かねてから申し上げておりますが、NHKさんというのは国民の受信料によって成り立っている公共放送であるということでございまして、本日も一視聴者として、視聴者を代表する気持ちで籾井会長及び皆様方にお話を伺ってまいりたいと思います。 それでは、早速、先月二十八日に行われました経営委員会に関して、確認をまずはさせていただきます。 この経営委員会の場で、ハイヤー代金の立替え問題を含めた一連の会長の言動、あるいは予算が二年連続で全会一致を得られなかったことなどから、経営委員会の浜田委員長から会長に対して厳重注意が行われました。議事録を読んでいると、この厳重注意に対して籾井会長は、「私が厳重注意を受けるいわれはないと思います。」と発言をしていらっしゃいます。これは間違いないですか。
○参考人(籾井勝人君) まず、これは質問として申し上げたということは御承知おきいただきたいと思います。そういう意味において、私はその中でこういうことは申しました。
○林久美子君 質問というのは意味がよく分からないのですが、議事録によると、「私が厳重注意を受けるいわれはないと思います。」と断定的に述べていらっしゃいます。後に浜田委員長から、「それは、ああいう事態に至ったことの結果責任です。」と御指摘がなされまして、それに対して籾井会長は、「あれはNHKを傷つけたとは思っていません。」とお話をしていらっしゃいます。この「あれ」というのは一体何を指していらっしゃるのでしょうか。
○参考人(籾井勝人君) 御党との部門会のことでございます。
○林久美子君 あの激しいやり取りがあった部門会議を指しておっしゃったと。そのときの籾井会長の立ち居振る舞いがNHKを傷つけたとは思っていらっしゃらないということで、これはよろしいですか。
○参考人(籾井勝人君) はい、そのとおりで結構でございます。民主党の部門会議では私の発言などをめぐって議論が紛糾したと、こういうことでございます、これはテレビを見れば分かることでございますが。 私はあの日、NHKの新しい三か年経営計画を説明しに来いと、こういう趣旨で私は参ったつもりでございますが、委員も多分出席されていたんではないかと思いますが、あのとき、のっけから去年の話になりましたので、話が違うんじゃないかということで私もいろんな議論をさせていただきました。 翌日か翌々日の衆議院の予算委員会で、その中の一人の議員から、言葉遣いがまずかったという、こういうふうなことをおっしゃいました。それで私も、非常に私としても申し訳ないということでこの件は終わっているということで、私はそういう意味でNHKを傷つけていないと申し上げたわけでございます。
○林久美子君 もうそこは会長と決定的に私は見解が違うということは申し上げておきたいと思います。 公共放送のトップとしての立ち居振る舞いというのは、やはり非常に重要であると思います。多くの視聴者が公共放送であるNHKのトップとして籾井会長を見ていらっしゃるわけですから。しかも、経営計画について説明に来いと言われたから行ったということでございましたけれども、それに絡んで、当然、全体の会長のことも含めていろんな議論がなされるということについて、私は何らおかしなことではないというふうに思っております。 ただ、そもそも私は、NHKというのは、NHKがあって経営委員会があって総務省があって、それぞれにしっかりと存在する中でパワーバランスが保たれながら、多くの国民の期待に応えるNHKとして存在しているのではないかというふうに思っておりました。がしかし、会長のこの経営委員会において厳重注意受けるいわれはないという御発言含めて、私は、どうも会長は、経営委員会と会長の関係というのを、NHKとの関係というのをきちっと理解していらっしゃらないのではないかと思うわけでございます。あれほど放送法にのっとってと常日頃御答弁なさいますけれども、本当の意味で理解いただいているのかなと思います。 そこで、会長にお伺いしたいのですが、経営委員会というのはNHKにとってどのような存在、位置付けでしょうか。
○参考人(籾井勝人君) 経営委員会はNHKの最高意思決定機関でございます。同時に、NHKの業務が適正に執行されるよう我々執行部の職務執行を監督するという役割を担うものと認識しております。
○林久美子君 浜田委員長、いかがですか。
○参考人(浜田健一郎君) 経営委員会は、放送法上、NHKの最高意思決定機関であるとともに、会長以下執行部の職務執行の監視・監督機関でもあり、重い責任を持っているというふうに認識をしております。
○林久美子君 そういうことでいえば、執行部の職務がきちっと行われているかどうかを監視、監督する機関でもありますから、それが適切ではないということであれば、当然、先日のように厳重注意ということになるわけでございます。 籾井会長、放送法五十一条、お分かりでしょうか。
○参考人(籾井勝人君) 「会長は、協会を代表し、経営委員会の定めるところに従い、その業務を総理する。」と、こうなっております。
○林久美子君 御答弁のとおりです。 経営委員会の定めるところに従って、その上で、会長、聞いていただいていますか、上を御覧いただいていますけれども、きちっとこちらを御覧ください。その上で会長は協会の業務を総理すると定められているわけです。これは法律で定められている。さらに、NHK業務の決定権は経営委員会にありますし、NHKの予算も経営委員会の議決を経て国会で承認をされるものでございます。まさに経営委員会というのは最高意思決定機関でございます。 さらに、放送法第三十九条には、経営委員会の運営として、「会長は、経営委員会の要求があつたときは、経営委員会に出席し、経営委員会が求めた事項について説明をしなければならない。」と定められています。 就任以降、経営委員会で様々な御発言を会長はなさっていますけれども、会長が好き勝手に経営委員会の場で言いたいことを言ってもいいと、そういう位置付けにはなっていないんですよ。会長、いかがですか。
○参考人(籾井勝人君) 御参考までに、放送法第四十条三項、「会長は、経営委員会に出席し、意見を述べることができる。」と、こうありますので、私は、経営委員会に出席できる、そこで意見を述べることができると承知いたしております。
○林久美子君 意見を述べられることは認められていると。しかしながら、最高意思決定機関の経営委員会が総意として会長に対して厳重注意を行ったことに対して、厳重注意を受けるいわれはないということを会長おっしゃるわけですよ。 浜田委員長、経営委員会の場で会長がこうした発言をされるということをどのようにお考えでしょうか。
○参考人(浜田健一郎君) 四月二十八日の委員会では、いろいろやり取りはございましたが、結果として会長は経営委員会の総意である注意を受け入れられたというふうに理解をしております。また、会長には、その日の経営委員会で決定した委員長見解にありますように、公共放送のトップとしての責任を再確認し、様々な意見に対してもこれまで以上に誠意を持って対処するよう努めるべきであると申し上げております。 このようなことを含め、今後も経営委員会として責務を果たしていきたいというふうに思っております。
○林久美子君 会長、今、浜田委員長がお話しになったように、厳重注意をしっかりと受け止めたということで、お受けになったということでよろしいんですね。
○参考人(籾井勝人君) まず、ちょっとその前に、私は経営委員会に出席したときは当然意見を述べるわけです。あの厳重注意の中身について、どうしてでしょうかという、こういうことを聞きました。それで、委員長から最後に、これは委員会の総意であると、こう言われたわけです。それについては私は是非もないんですよ。そのままお受けしました。
○林久美子君 会長、議事録をたどると、厳重注意をされて、受けて、それについてどういうことですかと会長が聞かれて、経営委員長の方から、部門会議での話やハイヤーの問題での話ですと言われて、その後に籾井会長は、厳重注意を受けるいわれはないと思いますとおっしゃっているわけです。そういうことはしっかりと受け止めていただきたいと思いますよ。 更に驚くべきことに、この経営委員会の場において、ハイヤー問題については、「ハイヤーの問題は、なにが問題なのですか。」と、会長、御発言されていますよね。今でも、このハイヤー代の立替え問題について問題はなかったと思っていらっしゃるんでしょうか。
○参考人(籾井勝人君) 私は、ハイヤー問題については、公私混同だと言われて、そういうふうな疑念がどこから出てくるか分かりませんけれども、そういう疑念が出てきたことに対しては私は大変反省もしておりますし、申し訳ないと思っております。これは何度も説明しておりますが、十二月二十六日に、私は車を頼むときに、公用車じゃなくてハイヤーを頼んでいるんでございます。これが私が私で使うということの何よりの証拠でございます。これは御理解いただきたいと思います。 それから、ハイヤー代の問題については、これは確かに、私が途中で請求書はどうなったということを聞かなかったことは、これは非常に私としては事務的には問題があるというふうに思っていますが、これはあくまでもやはり事務処理上の問題でございます。いいですか、これはハイヤーの伝票の事務処理上の問題でございます。これについて私はなぜ厳重注意を受けなきゃいかぬのかという質問をしたわけでございます。それについて、これは委員の総意であるということであったので、是非もなく私はお受けいたしたわけでございます。
○林久美子君 言葉を失いそうになるのですが。 しかも、籾井会長はこのハイヤーの問題について、会長がハイヤーの請求書が来たかどうかなど民間では確認しないと思いますとおっしゃっています。NHKは民間会社でしょうか。
○参考人(籾井勝人君) 民間ではと言ったのは、私は民間の経験しかありませんからそう申し上げたわけで、何も民間に限らず、NHKの会長が、私が私用で使った伝票がどうなったなんて一々聞かないですよ。それはそういう時間がないですよ、そういう時間。それぐらい実務的に分かってくださいよ。私は何も受信料を軽率に見ている、軽く見ているわけじゃないですよ。しかし、NHKの仕事を御存じですか。(発言する者あり)
○委員長(谷合正明君) 御静粛にお願いします。
○林久美子君 浜田委員長、ハイヤー問題について経営委員会としてまとめられたわけですけれども、今の会長の御答弁を伺っていますと、今もって会長が、たしか報告書にはきちっとそういうことについても意識を向けなくてはならないというような記述もあったかと思いますけれども、今の会長の御答弁は全く違うお話だったかと思います。 浜田委員長、いかがでしょうか。うなずいていらっしゃいますけど、会長が。
○参考人(浜田健一郎君) 経営委員会では、監査委員会の報告に基づき、会長に注意をいたしました。その見解に変化はございません。
○林久美子君 先ほど籾井会長は、厳重注意はもう受けるも受けないもないんだと、経営委員会の総意として出てきたものなんだからそうなんだと先ほどおっしゃいましたけれども、その中身についてはですよ、その中身については今もって、ハイヤー代の請求書を会長が確認するなんて民間であろうとNHKであろうとおかしいんだとおっしゃったということは、私は厳重注意をしっかりと受け止めていらっしゃるというふうには思えません。 経営委員長、会長を任命するのは経営委員会ですし、同時に罷免する権限があるのも経営委員会です。先ほど私申し上げました、総務省と経営委員会とNHKとしっかりとその三者がスクラム組んで国民の公共放送への期待にしっかりと応え得る体制をつくっていかなくてはならないと。にもかかわらず、今もってこの状況です。 私は、会長笑っていらっしゃいますけれども、笑っていらっしゃいますけれども、このゆゆしき事態は、本当にこれは経営委員会としてその存在が問われるんじゃないかと思います。経営委員会としての判断を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
○参考人(浜田健一郎君) 経営委員会といたしましては、これまで放送法の定めに従って監視、監督の役割を果たしてまいったと考えております。しかしながら、NHK予算の全会一致の御承認を実現できなかったことや、参議院総務委員会の附帯決議を始め経営委員会に対して様々な御指摘をいただいていることはしっかりと受け止めなければならないというふうに考えております。 今後も、経営委員会による真摯な議論を行い、合意形成に努め、放送法にのっとり、NHKが公共放送の使命を果たしていけるよう努力してまいりたいというふうに思っております。
○林久美子君 経営委員会が監視、監督の役割はあるということでございましたけれども、結局、厳重注意をしても、監視しても、監督しても変わらないとしたら、変わらないとしたら、そこから先踏み込んで対応するしかないんだと思いますよ。そういうことも含めて経営委員会の存在価値が問われている、視聴者の皆さんの思いに応えられるNHKであれるかどうか問われているんだと思います。 そして、もう時間がなくなってまいりましたから詳細にはできませんが、先日の四月二十八日の総務省からの指導文書の受取拒否問題ですよ。 総務省の方が三時間もNHKに行って待たされる、会ってももらえない。籾井会長は連絡を取りながら対応をしていたとおっしゃるけど、九時半までNHKまで帰ってこない、何をしていたかは言わないという。監督官庁である総務省からの指導文書に勝る重要な案件があって九時半まで戻れなかったというのであれば、私は、堂々と会長、それを述べられるべきだと思います。 そして、総務省から出されたこの文書、拝見をいたしました。大臣が何度も何度も報告書を読まれて、誠意を尽くしてきちっと直接手渡そうとして作られた文書ですよ。非常に真っ当なことを述べていらっしゃる。監督官庁として、NHKさんしっかりとやってよねと具体的なことも含めて記述をしていらっしゃる。これに対して、余りにもひどい。ひどいですよ、会長、ひどいと思っていらっしゃらないんですか。経営委員会に対しても、監督官庁である総務省に対しても余りにも私は不遜だと思います。それでは国民の信頼を得られるNHKになれないし、現場で頑張っている皆さんがかわいそうですよ。視聴者の皆さんと直接接している職員の皆さんの立場になったことがおありでしょうか。 もう時間がありませんので、最後に高市大臣にお伺いをしたいと思います。 私は、今の状況は非常に厳しいと思います。大臣の思いもなかなかこの間伝わってこなかったのではないかと思います。そういう中であっても監督官庁として総務省は頑張らなきゃいけない、そういうことも含めて大臣の所見をお伺いできればと思います。
○国務大臣(高市早苗君) 今、会長の御答弁も伺いました。伝票確認など会長の仕事は大変忙しいので一々やっていられないというお話もありました。総務大臣の仕事よりもはるかにお忙しいとお見受けいたしました。 私自身は、もしも、議員会館の靴屋さんで靴を買っていますので、ヒールの修理に出したときに、靴屋さんが届けてくださって数百円でも千円ほどでも立替えを事務所の秘書がしたというと、もうその日のうちに必ず領収書を持ってきてくれということで支払っております。 いずれにしましても、国民・視聴者から御負担いただく受信料により運営される公共放送としての認識をしっかりお持ちいただき、特に経営委員会から厳重注意を受けられたことについては真摯に御反省をいただき、国民・視聴者の信頼を取り戻していただきたいと思っております。
○林久美子君 終わります。ありがとうございました。